大阪では、今年食べログ百名店にもなった人気店へ行ってきました。

コスパがいいと誉めがちですが、それだけじゃない、

美しいお皿の数々を是非ご堪能ください。

 

 

大阪 淀屋橋にある『Grand rocher (グランロシェ)』。淀屋橋ってビジネス街

になるでしょうか。地下鉄御堂筋線淀屋橋駅13番出口から徒歩2分ほどの

ビルの一角にあります。大きな看板が出ているわけではないので気をつけて。

 

シェフは、京都ホテルオークラ出身の土谷真敬氏。

土谷シェフとの出会いは、2019年に開催された

「サンペレグリノ ヤングシェフ 2020」アジア地区大会表彰式でのことでした。

土谷シェフは日本代表シェフ2名の内のお一人として参加されていました。

今回訪問させていただいたのも、土谷シェフからオークラを退職され

同店と姉妹店のエグゼクティブシェフに就任されたとご連絡をいたたから。

応援している若手シェフには頑張って欲しいものです。

 

 

訪問すると、土谷シェフは、初めてお会いした時のヤングシェフのコックコートを

着て迎えてくださいました。実はお伺いした時に、なんでヤングシェフの???

と思ったのですが、聞くに聞けず・・・。ずっと???だったのですが

私の予約が入っていたのでクローゼットの奥の方から出してきてくださったと。

なんか泣けるじゃないですか・・・。土谷シェフとはヤングシェフ以来

お食事に同席させていただいたこともあるのですが、とにかく気が利き優しい。

こんなヘアスタイルですが(失礼)、おもてなしの気持ちのあるかわいいシェフで

真面目さと優しさがそのまましっかりお料理にも出ているのを感じました。

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今回は土谷シェフの真前のカウンター。ショープレートはなんとエルメスです。

パン皿もエルメスですし、バターナイフはクリストフルのジャルダンエデン。

ヒョーーーっと豪華ーーーー。何この店ーーーっと思いなが席につきました。

この日はランチでお伺いし、税込5060円、ディナーは8580円です。

サービス料は共に10%。ランチも満席でしたが確実にディナーがお得かも。

今はコロナでわかりませんが、通常土日は2部制だそうですが、

現在食べログ3.97点、百名店にも入り、土谷シェフになって確実に上昇中です。

 

グランロシェに行ったら、このエルメスをしっかり目に焼き付けてくださいね。

だって、世界に14枚しかない貴重なお皿。

グランロシェにはその14枚のうち、全14枚があるというからすごいです。

お店に行ったらまずはこの貴重なエルメスを拝むことからスタートですね。

 

この日は、ノンアルの葡萄ジュースのスパークリングから。

 

 

アミューズグール

見ているだけでも楽しいアミューズグールが登場しました。

 

 

本彼節/塩いくら

左)ブリオッシュ生地は雲丹を乗せて香ばしくトーストしています。

上には釜揚げしらすをたっぷり乗せて、乾燥キャビアのリンゴットの

スライスを重ねます。リンゴットトリュフとしらすの塩味、最後に散らした

和の調味料である3年熟成の本枯れ節が加わり、強い旨味と余韻が広がりました。

右)タルト生地の中には、長芋と白オクラのタルタル、スモークサーモンと

塩いくらのキラキラが美しいですね。口の中でいくらの旨味が弾けます。

フィンガーライムも加えてあり強い清涼感が広がる華やかなスタートとなりました。

 

パルメザン

蜂蜜、黒胡椒、パルメザンチーズの香ばしく焼き上げらせたチュイルで。

 

忠源

パイ生地の上に雪の下にんじんの自然の甘味を感じるムースに

福島県忠源の花乃牛の生ハム「ブレザオラ」の良質な肉の味わいと和牛のチップ。

和牛の旨味を食感の違うふたつの味わいで楽しませていただきました。

 

かき氷

トマトのエキスをかき氷にして、見た目の涼しさも演出しています。

ふわっと盛り付けられたかき氷はトマトのエキスで作られたもの。

トマトは甘いトマトからエキスを抽出したのではないでしょうか。

青臭さではなく、濃縮したトマトの甘味が冷たいながらも感じられます。

トマトの味わいがしっかり堪能できるフルーツトマトのコンフィチュールに

ジェノベーゼの青い香りが味のアクセントとなったちょっとイタリアンテイスト前菜。

 

 

キジハタ/赤紫蘇/西瓜/九条葱

ピンクがかった紫が印象的ですね。赤紫蘇のゼリーの上には

ローストしたスイカとアメリカンチェリー、熟成したキジハタが乗っています。

ごま油でエチュべした九条葱芽葱のシャキシャキ感と香り、

そしてジャイアントコーンのアクセントが面白い。

 

 

オマールブルー/満願寺唐辛子/メロン

ころんとしたガラスの器にぎっしり貝殻を詰め込み海辺を思わせる演出ですね。

主役はもちろんオマールブルー。昆布〆したオマール海老がたっぷり

使われ贅沢な前菜です。ここには、メロンのピクルス、

色合いもちょっと青い味わいのある2種満願寺唐辛子のスープ。

ここには夕張メロンのシャーベットが添えられ、大丈夫?って組み合わせでしたが

満願寺とメロンを散らした穂紫蘇の香りがうまくまとめてくれました。

ぶぶあられが加えられ食べた後、ちょっとほっこりした不思議な感覚が残りました。

 

 

バゲットとパセリのバター

これもエルメスですよ!!!

 

 

メゾン・ミト・フォアグラ

まだ今年プラムを食べてないんですが、初プラムが貴陽に♪

フォアグラはポワレにし、焼きオレンジのマーマレードで

風味豊かな甘味を加えています。マーマレードが入ることでぐんっと

味わいに変化がでますね。マデラ酒を使ったエスプレッソのシートを

かぶせ、パンデピスとカカオニブの苦味と香ばしい感じのアクセント。

フォアグラ特有の味わいはフルーツで食べやすく、

エスプレッソシートが深い余韻の残る印象深いフォアグラ料理になっていました。

 

 

 

 

 

 

鮑/セロリ/マティーニ

柔らかな口当たりにスライスされたサマートリュフの下には、

蝦夷鮑をバターソテーで火入れ。セロリときゅうりのサラダが添えられ、

肝はマティーニでソースにされとても軽く食べやすい味わいに。

 

 

鮑/セロリ/マティーニ

目の前で鶏のコンソメをかけてくださいました。

 

 

じゅんさい、なめこ、ナスタチウムが浮かぶスープができあがり。

前のお料理が肝のソースだったので軽いとはいえ、ちょっとリセットできる感じ。

 

新蓮根のシャキシャキ感と天草大王のラビオリ、とろんとしたなめこや

じゅんさいが鶏のスープと共につるんと口の中に入り、

その後シャキシャキ感とお肉の旨味が広がってくる具沢山スープでした。

 

 

マナガツオ/パッション/スダチ

高知県産のマナガツオの大きいまま皮目にパリッと火を入れポワレし綺麗にカット。

生臭センサーは人の3倍くらい働きますが、臭みもなく美味しくいただけました。

ただ、アルファルファのサラダはちょっと違うものが良いような気もしました。

 

 

梨「幸水」とシブレットをバター、ペルノーで風味を引き出しソースにしました。

パッションフルーツと新生姜のピュレを添えて爽やかなアクセント。

 

 

焼鳩

メインは、「夏鹿/美白鶏、焼鳩、信州フィレ/フルーツ蕪」の3種からチョイ

できました。土谷シェフはジビエの活動もされているので、鹿といきたかった

ところですが、ディナーが鹿と決まっていたので、今回はやめて鳩にしました。

土谷シェフ、申し訳ないですー。次回は鹿でお願いします。

 

しかしながら、鳩を選んだことを全く後悔のない素晴らしいものを作って

くださいました。ブレス産の鳩にハツやササミのムースや美白鶏の胸肉を

竹炭のパウダーでモザイクにしています。実はこれ、、、以前土谷シェフに難しいの?

と聞いたところ、得意ですと答えて下さった技法なんです。偶然かもしれませんが、

あの時のことを覚えていてくれたのかな、、、と嬉しくなっちゃった瞬間でした。

ソースは、ガストリックソースで、鳩の臭みを消すような工夫でしょうか。

ワインビネガーで焼いたごぼうに菊花、美山町のカボチャ「ロロン」のピュレで

少し甘味を、花椒のような味わいのティムトペッパーを散りばめて。

アートな美味しい鳩をお肉の部位だったりソースだったりとさまざまな

味わいを加えながら楽しませていただきました。

 

 

24ヶ月コンテ/グラノーラ

24ヶ月のコンテチーズはムースにすることで、チーズの力強さも残しながらも

ふわっと軽いムースにしていて食べやすい。しかもグラノーラやドライフルーツ、

ルバーブのコンフィチュールの甘さなどが加わり、また下には18ヶ月のコンテの

角切りが入り、コンテの違ったあじわいが楽しめます。滑らかな食感と

サクサク感とフルーツの味わい。ワインを飲む方にはぴったりのアヴァンデセール。

 

晴王/マスカルポーネ

極薄のパートフィロにマスカルポーネチーズのムース、

三重県産の百花蜜、岡山県のシャインマスカットを重ねてあります。

マスカルポーネの軽い酸味とマスカットのじゅわっとした果肉感

軽い蜂蜜の甘味がたまらない一口デザートでした。

 

 

 

 

蟠桃/☆ピーチメルバ☆/大糖領

貴重な桃を使った素晴らしいデザートを作ってくださいました。

蟠桃という珍しい桃は私も一度食べたことがありますが、かなり久しぶり。

大糖領は初めていただきました。桃好きとしてはかなり嬉しい〜♪

低温でコンポートした蟠桃としっかりコンポートした大糖領は、

食感も甘味も違います。白ワインのシロップと烏龍茶、フランスの梅酒プルシア

を使ったゼリー、バニラアイス、フランボワーズのソース、赤紫蘇という

組み合わせ。赤紫蘇が長く続く余韻として残りました。

 

 
 

 

 

 

 

 

最後の小菓子は、盛り盛りで登場しました。

 

夜の予約がもっと遅ければオールと言いたいところでしたが

ここはちょっと我慢で3種ほどいただきまた。

 

 

リンゴのハーブティーもエルメスのカップアンドソーサーで。

 

 

土谷シェフにお会いできたこともありますが、内容・ボリューム共に

大満足のランチでした。土谷シェフのお料理は、京都ホテルオークラに

いらしたこともあり、また国際大会への出場経験もあるからでしょうか。

ちょっと京都のはんなりしたテイストや和を意識した料理になっています。

 

またもともと技術もしっかり習得しているので、それぞれのお料理を

かなり器用に作っています。味は足し算。一つ一つ丁寧に食材を重ねていますが、

それらをしっかりまとめ、食べやすい。食感のアクセントも

しっかり加え最後まで飽きずに食べらる工夫も感じられます。

フランス料理を食べ慣れていない方でも

とても食べやすいフレンチなのではないでしょうか。

 

そして一番の特徴は、ちょっと低音で残るような余韻の長さ。

深い味わいの余韻とも申しましょうか。

本枯節、フィンガーライム、コーヒーや紫蘇、ジャイアントコーンなど

ティムトペッパーなどがしっかり最後の味を膨らませてくれるんです。

 

食べログを見た時に、イノベーティブ・フュージョンと書いてありますが

この言葉は要らないと思います。食材の組み合わせはひねりを加えて

いるし、モダンではありますが、ちゃんとフレンチしていました。

 

乙葉マネージャーも安定したサービスで、なるほど

人気の高さも伺えます。こういうお店があると、ちょっと背伸びは必要ですが

若い方達もフランス料理にすっと入りやすいんじゃないでしょうか。

ますます頑張っていただきたいお店ですね。

 

また次回お邪魔するのを楽しみにしています。

 

 

 

Grand rocher (グランロシェ)

大阪府大阪市中央区伏見町4-3-9 HK淀屋橋ガーデンアベニュー 1F

06-6228-0588

月曜日(祝日の場合は火曜日)定休

 

 

 

 

 

 

 

Grand rocherフレンチ / 淀屋橋駅肥後橋駅大江橋駅
昼総合点-