日本では大晦日に長寿を願い年越しそばをいただきますが

イタリアにも年末に食べるのは「Cotechino(コテキーノ)」と

「Zampone(ザンポーネ)」というソーセージです。

ちなみにご利益は、ズバリ金運アップコインたち

 

コインの形に似ていることから富を願うラッキーフードとして

食べられてきたレンズ豆。クリスマスや年越しは

ここにコテキーノもしくはザンポーネと言われる

大きなソーセージを加えて食べるがイタリアの習慣だとか。

ちょうどイタリアでは今頃年越しに向けて、一気に百貨店や

グロッサリーなどに出回るようです。

 

今回は「Arigat-EU」のプロモーションのプレスツアーに参加し

モデナにあるコテキーノとザンポーネの製造工程を見学してきました。

一部豚足がありますので、もしかしてダメな方がいらっしゃるかも。

大丈夫な方だけ読んでみてね。

 

訪問時にはちょうどザンポーネを作っていていて

一連の製造工程を見学させていただきました。

イタリアのナイスガイたちが温かく迎えてくださいましたよ。

ちなみに、ザンポーネとコテキーノ は、イタリアの北東地域の

エミーリア・ロマーニャ州、ロンバルディア州、ヴェネト州で生産することが

義務付けられているIGP(地理的保護表示)です。

IGPは、生産地、製法、クオリテイーが保証された商品に限定されています。

 

材料は豚の肩・頬・皮・喉肉の赤身・前足を。

これに、塩・胡椒・ニンニク・オリジナルスパイスを混ぜて

ザンポーネは豚足(前脚)に詰めて作ります。

コテキーノは上記の豚肉をミンチし調味料に

コラーゲンを入れて腸の皮に詰めて作ります。

両者は材料は一緒だけれど、塩分量が違うのそうです。

ちなみに今回見学をさせていただいた工場では

社長の方針でなるべく添加物は入れない方針だそうですよ。いいことですね。

 

ザンポーネの誕生は1511年。

当時フランスと忠実な同盟関係にあったローマ教皇ユリウス2世の

軍隊がモデナ県を包囲。攻略が終わり空腹に苦しんだ人々に

残った唯一の食料 豚肉を使い豚足の中に詰めて作った保存食が

今に残る「ザンポーネ 」です。

ちなみにzamponeのzampaは動物の足という意味だとか。

 

 

今回は15歳からこの工場で50年働き

現在工場の責任者をされているマウロさんにご案内いただきました。

 

使う豚肉は厳選されたものを使用します。

 

このマシンでコテキーノは8ミリ、ザンポーネは5ミリにミンチ。

 

こちらがミンチする歯。なるほど、穴の大きさがちがいますね。

 

 

ザンポーネは豚足に

 

コテキーノは加熱されていない腸、もしくは

 

こんなケースに詰めていきます。

 

こんな状態に詰められるんですね。

 

一本ずつ容器に詰めて。これは手作業。

 

パッケージし、日付や飼育された場所がわかるようロット番号をつけていきます。

 

四角じゃなくて円形の荷台のようなものに並べていくんですね。不思議。

 

次の工程ではこのマシンで加熱。だから円形なのですね。

ちなみに、合計4時間かけて火を入れていくそうですが

1時間かけて100度にし、120度で30分加熱、

その後少しずつ温度を下げ中が118度になり

お肉が殺菌された状態になったら出来上がり。

殺菌まですることで、これで長期保存が可能になるそうです。

 

加熱したあとは冷蔵し保存。

冷やすことで真空のチェックなどができるそうです。

 

日本も最近は昔ながらの手間のかかるものは敬遠されがちですが

その傾向はイタリアの若い世代でも一緒。

コテキーノもザンポーネも、生のものと加熱のものを製造されていますが

前日から水につけ3〜4時間茹でる生のものの需要が落ちているそうです。

でも、マルコさん曰く、生のものはその肉質も風味も最高だよと

嬉しそうにお話しをしているす笑顔が印象的でした。

 

ちなみにこちらは生のザンポーネとコテキーノ。真空になっています。

冷蔵で1ヶ月〜1ヶ月半保存が可能。

ザンポーネは5時間も茹でるので煮くづれしないよう紐で縛ってあるそうです。

 

 

なかなか日本では馴染みのない食べ物ですから

ザンポーネとコテキーノについて少しご紹介しますね。

 

こちらはコテキーノ。大きなソーセージといったところでしょうか。

私もレンズ豆とともに2回ほどいただきました。

レンズ豆と合わせて食べるのがイタリアの習慣のようですが

大きなソーセージなので食卓やパーティーのメインとしてもたべられます。

 

マルコさんが、昔から食べている大好きな生のザンポーネ。

これは食べたことがないので何かの機会に一度食べてみたいものです。

 

治療法は無く、発生した場合の家畜業界への影響が甚大であることから、

家畜伝染病予防法の中で家畜伝染病に指定されている豚コレラの

日本での発生を防ぐため、海外から日本への肉製品は現在持ち込めません。

今回、Arigat-EUの方からコテキーノをいただきましたが、

日本へは持ち込めるのでしょうか?

 

今回、サラミなどもいただいたのですが、持ち込めませんので現地で

食べてしまいましたが、コテキーノは検疫に通してみました。

レトルト商品で高熱処理があり長期保存の可能なコテキーノはOKということで、

持ち込むことができました。これで年末のご馳走ができたかな。

日本でもAmazonなどから購入することができるようなので

是非召し上がってみてくださいね。

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Arigat-EU (アリガテウ)は、

​イタリアのデリカッセンの魅力を日本に伝えるため、

「モルタデッラ・ボローニャ組合」・「カッチャトーレ・イタリアーノ組合」

・「ザンポーネ・モデナ / コテキーノ・モデナ IGP 組合」

の3つの団体がEUの支援を受け推進している事業です。

「ザンポーネ・モデナ / コテキーノ・モデナ IGP 組合」は

2001年に誕生し、IGPの主要生社である14社が加盟しています。

 

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