長谷川幸太郎シェフがひらまつを退社したらしい・・・そんな噂が入ってきたのは

数か月前のこと。長谷川シェフに直接お尋ねしたところ、地元で小さなお店を

始めるんですと。オープン日は4月8日だと聞き、それは是が非でも行かないと!!

と、友人達をお誘いしさっそく予約をさせていただきました。カジュアルながら、

しみじみと、そして口の中で美味しさ弾ける素晴らしいお料理を堪能しました。

 

 

オーナーシェフの長谷川幸太郎氏はのご経歴をご紹介いたしますと、

~ホテル、レストランで経験を積み26歳で渡仏。「ル・ジャルダン・デ・サンス」を始め星付き

レストランで約3年半修業。帰国後「サンス・エ・サヴール」で料理長を務めた後、「ラ・フェット

ひらまつ」料理長へ。ボキューズ・ドールは2007年に6位入賞。2017年にも日本代表に。~ボキューズ・ドールJAPANホームページより抜粋。

お写真は、昨年11月に開催された『ガストロノミーの祭典』のボキューズドールブースにて、

星のや東京の浜田統之シェフメゾン・ド・タカ芦屋の髙山英紀シェフという豪華な

メンバーが勢揃いだったのでお写真を撮らせていただきました。

左から2番目が長谷川シェフです。ひらまつでは取締役まで勤め、高い帽子をかぶられ

大きなひらまつの厨房を仕切っておられた日本を代表するシェフのおひとりです。

 

 

そんなご高名な長谷川シェフが自らのお店をオープンさせたのは

日本で2番目に古いアーケード商店街である台東区の「佐竹商店街」。

え!!何故下町に?誰もがびっくりすることでしょう。

それはおいおいご説明するとして・・・。まずはお店のご紹介としましょうか。

 

 

下町感満載で、ママチャリが走り抜けるような佐竹商店街。

私も卵が89円という安さにびっくりして購入してしまいましたし、目の前には

古びたショーケースのある喫茶店でのんびりコーヒーを飲んでいる方がいたり。

かなり下町感の漂う場所に、突如現れたのがこのおしゃれなお店。

通りを行き交う方々が店内をのぞき込むのも納得です。

 

KOTARO Hasegawa DOWNTOWN CUISINE

さすが地元と言うだけあり、友人や後輩たちが長谷川シェフのために店舗の場所を

探してくれたり、このロゴマークを作ってくれたそうです。

店舗作りから地元密着でのスタートです。

 

 

お店に入ると、長谷川シェフが、「さくらさん、お待ちしていました~」と厨房から

爽やかに出てきて迎えてくださいました。少しお痩せになったシェフを見て

私たちったら「弟さんがお店を手伝っていのかと思いました~」などと失礼なことを・・・💦

私の知っている長谷川シェフはビシッとコックコートを着ていて高い帽子をかぶられている

グランシェフですから~。カジュアルなエプロン姿でそりゃびっくりですよ~。

でも、いつもの変わらぬ優しい笑顔で、、、いやいつも以上に明るい雰囲気に

ウキウキしながらお料理をいただくこととなりました。

こちらのお店は優しい奥様とお二人で切り盛りされています。

 

 

長谷川シェフになぜひらまつをやめられて地元でお店を持たれたのですか?と伺うと

フェルナン・ポワン氏の「料理人よ故郷へ帰れ」という言葉に感銘し

昔から将来、独立される際には、地元へ戻られることを決めていたんだとか。

ついに、その時が来たとばかり、満を持して凱旋と言ったところでしょうか。

 

 

店内は16席ほどのこじんまりとしたお店。

壁には長谷川シェフ自らが撮影された生産者さんなどのお写真が飾られています。

長谷川シェフほどになると多くの生産者さんもご存知でしょうし

こういう方たちを大切にされているといことはさらに登場する料理が楽しみになりますね。

アップでご紹介するのは差し控えさせていただきますが

センスあるシェフはこういう美的な感覚がすぐているんだなとわかります。

お店に行かれたら、お席の近くのお写真を是非ご覧になってみてくださいね。

 

 

長谷川シェフがボキューズドール代表選出のための大会で課せられたテーマ

「日本文化を世界に発信」を『K.H. DOWNTOWN CUISINE』でも実現しています。

だからテーブルには、江戸切子のグラス、燕三条のラッキーウッドかな?のカトラリー、

出雲百年煤竹箸がセットされていました、テーブルも日本の家具を使っていらっしゃるとか。

お料理はコースのみ。5000円、8000円、10000円で税サ込でした。

 

まずはパッションフルーツのカクテルから。

少し酸味のあるすっきりとしたスタートにぴったりのカクテルでした。

 

 

アミューズ
谷農園さんの安納芋のブルーテ 6ヶ月熟成

まだ5月ですが今年は既に真夏日のような日もありますね。

そんな季節にぴったりのブルーテ。安納芋のしっかりした味わいがあるものの

柔らかな口当たりと程よい甘さ。冷たいブルーテからスタートです。

 

 

前菜
和歌山県産足赤海老のフリット 大葉 帆立のムース

伊万里写しのプレートに並べられたのは、ピンと尻尾のついた海老のパートブリック。

お皿も以前より買い集められていたというものを使われているそうです。

今までとお皿のデザインも違うので、盛り付けも楽しいとおっしゃっていました。


 

中には、甘味のあるとろぉ~とした食感と甘味がなんとも言えない生の海老。 

ソースは、濃縮オレンジピューレやバルサミコを使い、
甲殻類のマヨネーズやオマール味噌のパウダーでしっかり海老の味が堪能できます。

海老の味わいと共にオレンジの余韻が続く前菜でした。

 

 

パンは『K.H. DOWNTOWN CUISINE』と刻印された枡と共に。

 

バケットはフランスのプリドールでした。

 

 

ホイップバターは、パンと共に口の中に入れるとバターが消えた!!

と思うふわふわ感。最後に軽い塩味が残り余韻が残る感じに。

いくらでも食べられてしまいそうで危険な食べ物でした(笑)

 

 

前菜2
佐賀県産のホワイトアスパラ ポーチドエッグ パルメザンリゾット

青いお皿に白い料理。中心にはキャビアオシェトラがたっぷり乗っています。

見た目は静やかな感じですが、実はかなり豪華な料理。



目の前に置かれた時にトリュフの香はもちろんするのですが、

口の中にいれるとさらにふわっと広がります。

そして何よりも、アスパラガスのみずみずしいこと!!

口の中にいれると、じゅわっ~っとアスパラのジュースが広がります。

玉子の黄身の濃厚な味がブイヨンカプチーノトリュフに交わるとまたトリュフが香り立つ感じ。

ブイヨンの下に隠れた、これらのエキスを十分に吸ったリゾットもまた美味しい。

黄金の組み合わせですが、さすがと思わせる仕上がりに拍手です!!

 

 

前菜3
淡路島の新玉葱のロワイヤル フォアグラと空豆

出た~!!とろとろのコンビネーションです!!

表面は香ばしく安れたフォアグラは、玉ねぎと交わると甘さが旨く溶け合います。

時折空豆のちょっと苦味・・というのかな青味というのは軽いアクセントが加わり

最後まで美味しく食べられるのもいい感じでした。

 

 

お魚
山口県萩産の甘鯛の松笠焼きマグロのカラスミと白ワインソース

鯉が優美に泳ぐ器に盛り避けられてきたのは、甘鯛です。

麻生伝兵衞さんのズッキーニと赤水菜が添えてありました。

 

鱗をパリパリに焼かれた甘鯛は身も瑞々しくそして身の旨味がしっかり味わえる

極上の焼き上がり。これに鱗の香ばしいサクサク感がたまりません!!

ズッキーニもみずみずしくフレッシュで野菜のもつ甘味が口の中で弾けます。

アクセントは水菜の食感と青い香り。堪能させていただきました。

 

 

お肉

近江牛フィレ肉 赤ワインソース ジャガイモのクルスティヤン

 

 

近江牛はフィレでしたが、脂もきれいに入った美味しいお肉でした。

赤身の旨味なのですが、この厚さにして柔らかい~~~と感心してしまうほどです。

休みながら肉にストレスをかけず焼いたとみえ、お肉の旨味が優しい!!

花山椒も添えていただき、お肉の味が軽く引き締まる感じでいただきました。

 

 

デザート
バローナ社マカエのフォンダンショコラ
ヘーゼルナッツのプラリネアイスクリーム

落ち着きの中にかわいらしさとエレガントな感じが漂うデザートです。

 

中からとろぉ~っと溶けだすチョコレート。

チョコレートの香りも豊か。あたたかなチョコレートが下の上で溶けると

口の中にひろがる香りとチョコレートの味わいが広がりました。

 

最後は紅茶もいただきました。最後もまたかわいい器で締めくくっ以ただ来ました。

 

 

お料理はとてもバランス感覚のとれた素直なもの。

素材には優れた技術が注ぎ込まれ、美味しいお料理となっていました。

弟さんと間違うほど、若々がえったように見えた長谷川シェフですが

若き日に戻ったように直接素材に触れ、香りをかぎ、一から仕込みをし、調理していく。

改めて料理を愉しまれている様子が厨房からも表情からも伝わったのですが、

大きな愛情を持って作られたお料理は、食べている私たちも幸せにしてくれました。

 

 

KOTARO Hasegawa DOWNTOWN CUISINE

東京都台東区台東4-2-11

03-5826-8663

18:00~20:30(L.O)

日曜・祝日定休

 

 

私もインスタグラム @sakura007で投稿しています。

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