皆さん、魚醤って普段使っていますか?一般的には、「しょっつる」「いしる」などがあり、

東南アジアで使われている「ナンプラー」「ニョクマム」など、一部エリアの食文化には

欠かせない調味料となっています。私も冷蔵庫に必ず1本常備していているのですが

隠し味に使うと、一気に味が美味しくなる魔法の調味料のようで気に入っています。

料理が変わるこの魚醤。これを機会に是非一度、お試しいただけると嬉しいなと思います。

 

今回は、ホテルインターコンチネンタル東京ベイにある素敵なイタリアン『ジリオン』で

新潟県立海洋高等学校の高校生の手によって作られた鮭の魚醤『最後の一滴』とコラボし、

生徒さんたちも開発に携わったという初のイタリアンを味わうプレス発表会が

行われるというので行ってきました。今回はコース仕立てでいただきましたが、

全てのメニューに『最後の一滴』が使われていました。

 

ホテルインターコンチネンタル東京ベイの1階、ニューヨークラウンジの奥にある

ジリオンは、イタリアンダイニング。オープンキッチンでライブ感もあり満点です。

Zillionは膨大なとか無限のとかいう意味。無限の可能性を持ったレストラン。

そんな、無限の可能性を持つレストランで、今回の試みが行われました。

 

この日はかわいらしい二人の高校生が、メディアに向けてプレゼンテーションしてくれました。

なんとも堂々としいていることか。彼女達は、新潟県立海洋高等学校は糸魚川市のある

海洋高校の学生さんす。この高校は、資源育成コース、食品科学コース、海洋技術コース、

海洋創造コースがあり水産業における様々な課題に取り組んでいます。今回紹介いただ

いた魚醤『最後の一滴』は、「食品科学コース」の生徒さんによって開発・生産されています。

 

毎年秋に能生川で鮭が遡上し、今まで8000匹もの鮭をお金をかけて捨ててきました。

この鮭をなんとか使えないかと考えだし作られたのが鮭魚醤『最後の一滴』です。

 

遡上するときに体力を使い果たした鮭たちは、脂肪分が落ちてしまいます。

臭みの原因となる脂肪が落ちることで、臭みのない魚醤に出来上がります。

『最後の一滴』というこの名前は、鮭を余すことなく使うこと、そして調理の最後に使うと

いうことで、心を込めて付けられました。フードアクション・ニッポン・アワード2015や

グッドデザイン賞2016、そして農水省や新聞社等から評価を受けているそうです

2年間の歳月を経て、作り上げた漁醤は、最初、部活として製造され、道の駅などで

販売されていました。しかし、税金等の問題の問題もあり、現在では、

シーフードカンパニー能水商店という事業所を立ち上げて製造販売しています。

魚醤なのに臭くない!刺身の醤油として、そして隠し味として使うのが゛

Good。生徒さんのおススメは、茶わん蒸しの隠し味だそうです。

 

味香り戦略研究所分析によれば、『最後の一滴』は

うまみは(先味)は、市販されているしょうゆよりも高く、しょっつるにより近く

うまみの余韻(後味)は、平均的。

これはどういうことかと言いますと、

「癖が少ない」「旨味が強い」「すっきりとした後味」「素材の味が活きている」

ということになります。

 

また『最後の一滴』による経済効果も出ていて、2年前と比較して、

◆サケ資源利用    1000尾→3500尾

◆雇用の創出        0人→4人

◆産業の創出    120万円→3400万円

◆遠隔地からの入学  19人→32人

 

今までは、8000尾ものサケが捨てられていましたが、売り上げが上がるごとに、

つまり多くの魚醤がつくられるほどに、様々な経済効果をも生み出しています。

シーフードカンパニー能水商店では毎週火曜日に終日活動をしています。

クラスは18人。製造開発部10人、品質管理部4人、マーケティング販売部4人の構成で

今回プレゼンテーションほしてくれたこの2人は、マーケティング販売部に属しています。

HP更新に係る情報収集やECサイト運営、そして商談会への参加などが主な業務。

今回もその中の活動で、しっっかりしたプレゼンテーションをしてくれました。

 

部活から、事業所へ。廃棄されていたものが美味しい商品に。

応援したくなる商品ですが、今や地元の方からも愛される商品になっているようで

今後、『最後の一滴』を指導してきた松本教諭がシーフードカンパニー能水商店の

事業主として着任されるとか。今までも学校の授業との両輪で頑張ってこられた先生です。

さらに糸魚川地区が発展するような事業になればいいですね。

 

今回は、プレス向けの発表会ということで、先生と生徒さんからのプレゼンテーションと共に

『最後の一滴』を使った一夜限りのイタリアンメニューをいただくことができました。

 

 

作ってくれたのは、zillionの阿部料理長。

魚が美味しくなるコンテンツを提供している魚楽団体「さかなの会」との出会いから

『最後の一滴』の活動を知り、今回のタイアップとなったそうです。

このような取り組みをしているというところに、このホテルの懐の大きさを感じます。

そして阿部料理長の作るお料理で、魚醤って、こんな味なんだ~とか、

こんな風に使うんだ~とか、さまざまな発見や驚きがありました。

 

 

新潟産ナスのタルタルと自家製リコッタチーズ、

海洋高校養殖の平目のマリネと最後の一滴

カンノーロに見立てて作ったという美しい一皿。

最後の一滴で作ったシートが、海辺になびく羽衣のように平目の上に乗せられています。

いわゆる最後のエッセンスがキラキラとしたゼラチンでカバーされているのですが

ストレートに醤油ということではなく、味に広がりを持たせるように添えられています。

平目の中からは、優しい食感の茄子のタルタルとリコッタチーズ。

イタリアンと和食を融合させたような、コラボのスタートにふさわしい一品。

 

 

海洋高校養殖のオコゼのフリット

サルサベルデとバーニャフレッダのスキューマ最後の一滴

海洋高校では、平目やオコゼなんかも養殖しているんだと、高校生なのにスゴイなぁ~と

関心してしまいます。今回は添えられたスキューマのふわふわの食感の中に

最後の一滴を使っています。最近は柔らかな食感を作り出すために醤油を

ゼリーにしたり海苔のように形を変えて添えられるテクニックを和食でも見ることがありますが

ここではイタリアンっぽくバーニャフレッダのスキューマで。

サクサクのフリットに柔らかな泡の風味が加わることで、魚醤の旨味を感じました。

 

 

サルモーネとフィノッキオのパスタフレッダ

最後の一滴のアクセントで

ここでは日本海の海流の中を泳ぐ鮭をイメージしたのでしょか?

オレンジとグリーンの爽やかなコントラストのお料理が登場しました。

 

最後の一滴は泡の中に閉じ込められています。

タスマニアサーモンやバスタが最後の一滴でぐんとふくよかな風味が広がりました。

 

 

海洋高校生が捕獲した新鮮スルメイカの赤ワイン

イカ肝ラグー ヴェルミチェッリで

イカ肝をたっぷりと使ったラグーは、しっかりとしたちょっと太めのパスタで。

イカは生のものと赤ワインで煮込まれたものと。

これはワインもいいですが、ちょっと日本酒が飲みたくなるようなプリモでした。

 

 

最後の一滴でマリネした雪室熟成豚のグリリアータ

シチリア風パン粉紋風味

雪室熟成は古くより新潟で行われてきた食糧保存の知恵ですが

最近ではさらに美味しく熟成できると様々な食材を美味しくするテクニックとして

取り入れられています。そんな新潟で行われている技術を使って美味しくなった豚を

最後の一滴とオリーブオイルで作ったマリネ液を使い5日間マリネ。

これをしっとり焼き上げ、阿部料理長の得意なシチリアのエッセンスを加えて

仕上げてあります。ふわっと香る最後の一滴をお肉でも楽しむことができました。

 

 

新潟コシヒカリのリゾクロカンテ

糸魚川の南蛮エビとホワイトセロリのサルサクレマ

最後は新潟は佐渡産のコシヒカリを使ったリゾットで〆となりました。

香ばしく、風味豊かな糸魚川の南蛮エビが深いアクセントとなっています。

リゾットは香ばしく焼き上げることで、海老の香ばしい感じともよく合います。

ホワイトセロリの中に忍ばせた最後の一滴は、

この蝦の強い芳香にも負けないソースになっていました。

 

 

サプライズドルチェ

甘酒を使ったジェラートを牛皮で包んでいます。

あ、これは雪見大福だ!!!新潟の雪をイメージしたのでしょうか。

はたまた巣籠の卵か!!

海洋高校ではもずくも作っています。モズクはフリットで添えられていました。

揚げても食べるとネバネバ感があるところに軽い衝撃を受けました。

 

 

ここに最後の一滴を加えると、おやおやこれはみたらし団子じゃないですか!!

楽しいサプライズ満載のドルチェとなりました。

 

 

最後に今回参加した二人の海洋高校の生徒たちからの挨拶がありました。

この最後の一滴でスイスやマレーシアの商談会などにも行ったりして

魚醤を通じて何となく入学した高校でやりたいことを見つけたそうです。

また学校に行く目的もできたとか。

今後、自分たちのような生徒が増えて欲しいという思いや、

自分たちと同じように後輩たちにもやりたいことを見つけてくれたら嬉しいという

お話されていました。ピュアな思いで高校生が作った魚醤。応援していきたいものですね。

 

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今回は、海洋高校のお二人をはじめ、二人の教諭のお話を聞くことをメインにした

メディア向けの一夜限りの特別ディナーの開催でしたが、実はジリオンでは

超きっぷのいい・・・あ、ついいつもの江戸っ子風の言葉になってしまいましたが

キラキラ10月27日の一夜限りのスペシャルディナーキラキラ

海洋高校生がつくる極上の鮭の魚醤を高級イタリアンで
楽しむイベント「最後の一滴」晩餐会

が、10月27日18:30〜21:00 (受付 18:00〜)の一夜限りの晩餐会として開催されます。
1名様 ¥8,000(お飲物代・税金・サービス料を含む) ※メニューは変更となる場合があります。

ジリオン

東京都港区海岸1丁目16番2号  ホテルインターコンチネンタル東京ベイ 1F

03-5404-7895(1Fレストラン直通)

 

10月27日は、この魚醤を使った料理をブッフェで楽しめます。

海洋高校より魚醤づくりのポイントや海洋立国功労者賞・内閣総理大臣賞を

受賞するに至った経緯などのお話も聞きながらいただくことができるようです。

生徒さんはもちろん、校長先生もいらっしゃるそうですよ。

■冷前菜

 ・新潟産ナスのタルタルと平目のマリネ 最後の一滴のシートと共に

■冷前菜

 ・最後の一滴を使用した二種

■温前菜

 ・オコゼのソテー 最後の一滴のスキューマサルサベルデと皿盛り

■パスタ

 ・新潟海洋高校生が獲ったスルメイカの赤ワイン肝ラグソース スパゲティ

 ・サルモーネとフィノッキオのパスタフレッダ 最後の一滴のアクセントで

■ラザニア

  ・新潟県産ナスを使ったラザニア

■肉料理

  ・最後の一滴でマリネした雪室熟成豚のグリリアータ シチリア風パン粉レモン風味

■〆のご飯

  ・新潟のコシヒカリのココットピラフ イカ肝の赤ワインラグーソース 最後の一滴の香り

■ドルチェ

  ・新潟の食材を使用した三種盛り

■お飲物

  ・コーヒー または 紅茶   

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この機会に、数々の表彰を受けてた素晴らしい鮭魚醤であり、

高校生たちの人生に旨味をもたらした『最後の一滴』を、是非体験してみてください。

↓ 詳細はこちら ↓ 

海洋高校生がつくる極上の鮭の魚醤を高級イタリアンで楽しむイベント「最後の一滴」晩餐会

 

うお座 シーフードカンパニー能水商店 うお座