[花影ゆれる砥水] 1部 M11~M21 全文書き起こし 歌詞パート分け | 蒼穹

蒼穹

歌詞のパート分けしてます。まとめからどうぞ〜。

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花影ゆれる砥水 歌詞パート分け

1部 ミュージカルパート M01~M10  M11~M21
2部 ライブパート  S01~S10

MC・日替わりなど



※このページには書き起こしが多分に含まれますのでご注意ください。



歌:小竜景光鬼丸国綱一期一振
  大般若長光へし切長谷部山姥切長義


※パート分け、歌詞は予想の段階であり、確証を得るためのものではありません。







    押すと飛べたりします(たぶん)

M01          『よみびと絶えず』
M02           『誰(た)が為の刀身(からだ)』
M03 光徳         『言葉なき対話』
M04      『刀剣乱舞』 ~花影ゆれる砥水~
M05           『刻まれた名前』
M06           『焼け落ちた思い出』
M07 カゲ         『已己巳己~うりふたつ』
M08 光徳の弟子      『研ぎ澄ます心』
M09 カゲ         『已己巳己~どちらかひとつ』
M10 ・カゲ       『抜け落ちた中身』
M11 豊臣秀吉       『瓜売りに瓜二つ』
M12 カゲ・光徳      『瓜売りに瓜二つ~已己巳己』
M13           『映す己 映る己』
M14      『落ちてゆく音』
M15           『花の雨 キミの名残』
M16           『二羽の雛鳥』
M17           『今の私』
M18 ・光徳  『言葉なき対話リプライズ』
M19      『よみびとしらず』

4月30日 初日配信の書き起こしです





⤴ M01~M10 [M10]



(長谷部) 「もう大事ないのか?
(一期) ご心配をおかけしました。もう大丈夫です。
(小竜) 一体何が始まるんだい?
(長谷部) 瓜畑遊び。大名たちが庶民の仮装をして楽しむどんちゃん騒ぎだ。
(大般若) 一太郎の快気祝いも兼ねた宴と言っていたが。
(長義) 自分に従う大名たちの顔見せだろうなぁ。
(小竜) なるほど手厳しいな。でも、楽しそうじゃないか?
(家臣) しっかし...殿下の宴好きには困ったもんやなあ。
(家臣) そういうな。殿下に機嫌を損ねられては敵いませんぞ。
(家臣) ほれ!そなたらも多いに盛り上げるのじゃ!
(家臣) おぉ!お出でなさったぞ!」






M11



(秀吉) 「あぁん、あぁん」


あ~味良しの瓜~はぁ~召せ召せ~


「うぉおぉぉお!!!」
「瓜売りそのものですぞ!」
「流石殿下!」
「よっ日本一!」


瓜売りに瓜二つ(よっ!)
召され候え~(あよいあよいよいよいよい!)
茶はいらんかのう!(はぁ~!いらんいらん!)
簣買わし!(かわし~!)
(あよいあよいよいよいよい!)

瓜売りが瓜売りにきて~(よいっ!)
瓜売り残し~(よいよいよい!)
瓜売り帰る~(よっ!)
瓜売りの方の方へ~(瓜!くだされ!)
(お売りくだされ~!)

売れ残り瓜が!ほれ瓜売り切れた~
(はっよっよっい~よっ!)


(秀吉) 「一太郎!調子は如何じゃ。
(一期) 殿下の格別なるご配慮により、この通りにございます。
(秀吉) うん。どうじゃ。本物の瓜売りのようじゃろ。
(一期) はい。見紛うほどに瓜二つですな。
(秀吉) あぁ!わしは本物瓜売りさえも越えて見せるぞ!
(家臣) おぉ!
(秀吉) さぁ皆のもの!盛り上がるのじゃ!」


瓜売りに瓜二つ(よっ!)
瓜売りに瓜二つ(よっ!)


(小竜) 「あまり楽しくないかい?
(一期) え?
(小竜) なんだかつまらなそうだよ。
(一期) はは。弟たちがいたら大いに楽しんでるでしょうな。
(小竜) 君って...
(一期) はい。
(小竜) あ、いや。
(大般若) あんた自身はどうだと聞かれてんだよ。
(一期) 私自身...
(家臣) おいおい!話しこんでないで!ほれ!こっちや~!こっち!
(家臣) これこれ!顔が怖いぞ!
(家臣) ほれほれ!中へ!」


瓜売りが瓜売りにきて~(よっ!)
瓜売り残し~(よいよいよい!)
瓜売りかえる~....





(光徳) 「影打ちとして表に出ることなく、鉄に戻るものありゃ、
(光徳) 真打ちとして表へ出ても折れてまた鉄に戻るものあり。
(光徳) 表も裏も、運命は裏腹や。...命令は命令。従ごうてしもうたからには、真打ちを...磨り上げる...?
(カゲ) (私を選べ...)
(光徳) あかん!そないなことしてしもうたら!
(カゲ) (私は...吉光の太刀...)
(光徳) お刀様。どうかお答えください。あてはどないしたらええんでしょう!
(カゲ) (お前が私を呼べば....)
(光徳) どうか。あの時のように!
(カゲ) (私の名を...呼べ!)
(光徳) もう一遍あてをお導きくださいーーーっ!!!
(カゲ) (已己巳己...)
(光徳) お刀様ーーー!!!!」





M12



(見紛うほどに瓜二つ) (已己巳己...)
(見誤るほどに瓜二つ) (已己巳己...)


(カゲ) 「(早く!私の名を...!私の名を呼べ!)
(光徳) こちらのお太刀は...
(カゲ) (私の名を呼べ。)
(光徳) そうや、こちらを選べば!
(カゲ) (呼べ!)
(光徳) あかん!あてとしたことが...」


(カゲ) 目は閉じて...


(カゲ) 「(私は一期一振。いや、人の子よ。心向く方へ)
(光徳) あての心?
(カゲ) (私の名を呼んでくれるなぁ?)
(光徳) 心に従うなら...」


(カゲ) 目を閉じて 
(カゲ) 手の鳴る方へ さあ
(カゲ) お前がその名を呼べば


(カゲ) 「(呼べーーーー!!!!)」
(光徳) 「一期!!!!一振!!!!!!」


(カゲ) 「私は一期一振。粟田口吉光の手による唯一の太刀。
(カゲ) 天下統一を果たした豊臣秀吉の夢と命運を共にする、宿命の太刀にございます。」


(小竜) 「いや~。盛り上がったねぇ。
(大般若) 庶民に身をやつすというところが、なかなかに興味深い。
(長義) 一番楽しんでいたのは、秀吉公だったようだが?
(小竜大般若) はっはっはっ。
(長谷部) 殿下は何かにつけて花見や茶会に瓜畑遊び。家臣らの気苦労も絶えぬだろうなぁ。
(大般若) 結構なことじゃないか。
(小竜) ねぇ。瓜畑遊びってなんだか...すていじのようだよねぇ。
(長義) あぁ先日の?
(鬼丸) 一期一振も同じようなことを言っていた。
(長谷部) 一期一振は?
(小竜) あれ、秀吉公の傍じゃないのかい?
(大般若) 殿下は、一太郎にかなりご執心だからなぁ。
(長谷部) つい先刻までここにいたと思ったが...
(長義) ...なぁ。
(長谷部) あぁ。何やら嫌な予感がする。
(小竜) なんだろうねぇ。知らない気配だ。
(大般若) とにかく殿下のところへ行ってみようか。
(5人) あぁ。」


(秀吉) 「やっとか!お前にしては大層時間がかかったのう。
(光徳) 長らくお待たせしました。これより...磨り上げを...
(秀吉) 磨り上げは無用じゃ!
(光徳) ..え?
(秀吉) 近々、宮中に参内せねばならんのでな。このままでよい。大儀であった。
(光徳) 磨り上げなくてよろしいんですか...。
(秀吉) あぁ。参内の面倒な習わしがあってのう。
(秀吉) 生涯にたった一振りとは...実に粋な名じゃ。このわしに相応しい。
(家臣) おぉ。
(秀吉) よろしく頼むぞ!一期一振!
(光徳) 殿下...でしたら...その...
(秀吉) なんじゃ光徳。もう下がってよいぞ。
(光徳) はっ。
(大般若) 殿下...!御前をお騒がせ致す。
(秀吉) どうした。
(大般若) あの~...一太郎は...
(秀吉) 一太郎?一太郎なら...
(カゲ) はい!ここに。
(長谷部) なに?!
(長義) あれは...!影...!?
(秀吉) さあ、快気祝いじゃ。利休に茶を振舞わせよう。
(カゲ) ありがたき幸せ。
(大般若) この気配は...
(長谷部) こんな時に。
(家臣) なんじゃお前らは!
(秀吉) またわしを狙ってきよったか!
(長谷部) 山姥切長義!小竜景光!殿下を!
(長義) 任せておけ!
(小竜) あぁ。
(カゲ) 殿下は私がお守りいたします!
(長義) なに!?
(秀吉) 流石じゃ一太郎!
(カゲ) はっ!
(小竜) へぇ~。
(小竜) (殺陣後)まぁ、これぐらいは当然だよね。
(家臣) 殿下!こちらからです!
(家臣) 殿下!お待ちくだされ!
(長谷部) お前の狙いはなんだ!
(カゲ) 殿下を守る。それ以外に何が?
(長谷部) ほざけ!
(長義) その化けの皮をはがしてやろう。
(長谷部) 邪魔をするな!
(大般若) 少し頭を冷やそうか。
(長義) 俺は冷静だ!
(小竜) どの口が言っているのかな?
(鬼丸) 内輪揉めは後にしろ!
(大般若) おぅ~!鬼を怒らせてはたまらない。
(カゲ) 御覚悟!...殿下。お怪我などはございませんか。
(秀吉) あぁ。大事ない。一太郎、ようやった!ようやったぞ!
(カゲ) 殿下がご無事で何よりです。
(秀吉) あぁ。
(長谷部) ...敵ではないのか。
(大般若) 何とも言えないなぁ。
(長谷部) 一体何が起きている。
(長義) 本阿弥光徳が影打ちの方を選んだ。
(小竜) ...恐らく、そういうことだろうねぇ。
(大般若) ほぉ...影が実態を持ったどころか、一期一振になると...
(長谷部) そんなこと...!あるわけないだろう。
(秀吉) その方らも大儀であった。お?どうした?揉め事か?
(大般若) いえ、お気になさらず。
(秀吉) ほっほぅ。さ、今宵も宴じゃ!その方らも楽しむがよい。
(秀吉) 真の一期一振がわしのものとなった祝いの宴じゃ!準備せい!
(家臣) はっ!
(秀吉) 一太郎。ついて参れ。
(カゲ) はい。
(大般若) 様子は俺が見ておこう。
(長谷部) 何かあればすぐに報告を。
(大般若) あぁ。(上手に捌ける)
(鬼丸) 真の...一期一振。
(小竜) 俺たちの知る一期一振は...どこに行ったんだろうねぇ。
(長義) 分からない。こんな事例は初めてだ。
(長谷部) くそっ。(下手に捌ける)






M13



(一期)
ここは何処だ? 日の当たらぬ場所 
いつだって 私の傍にあった 
一歩踏み外せば それだけで迷い込む

光なくして 影はない 
影を生まぬ 光はない


(一期) 「私は本当に一期一振なのでしょうか」


映すのは己か 映るのが己か
思い知らされた 存在することは
何と覚束ぬことか 
今の私は...


(豊臣秀吉を見つめながら)
(一期)
「あの方を思い出せない。本当に共に過ごしたことがあったのでしょうか。
がらんとしたこの内側には何があったのでしょう。
豊臣の災禍と共に焼け落ちてしまう前には確かにあったのでしょうか。
私は、誰に問うているのでしょう。私自身?
はっ。中身を持たぬ私自身に問うて、何が返って来るというのか。
がらんとした部屋と同じ。ただ己の声が虚しく響くだけ。ふっ。それだけだ。」





M14



(長谷部)
「実態を持たぬはずのカゲがいちたろうに成り代わったまま、
時間だけが過ぎていった。そして、天下人、豊臣秀吉のこの先の歴史は...」


(長谷部) 季節は音を立てて 
(長谷部) 巡りゆく 巡りゆく
(長谷部) 虫の音(ね) 鳥の声






M15



(長谷部) 「天正18年11月。朝鮮聘礼使渡来。(ちょうせんらいへいしとらい)」


(秀吉) 「おぉ!遥々朝鮮からよう来た!早速じゃが...」
(秀吉) 「ややっ鶴松!やりよったな!こやつめ!わしに小便垂らしよったわ!」


(5人) それは大きな夢


(秀吉) 「亡き信長様でさえ、成し遂げられなかった夢!」


(5人) 夢のまた夢


(秀吉) 「わしが、このわしが叶えて見せようぞ、天下統一のその先!唐入りじゃ!」
(秀吉) 「わしは信長様を越えて見せる!」


(長谷部) 大きすぎる野望に
(小竜長谷部大般若) 目が眩み
(鬼丸長義) 目が眩み

(長谷部) 無謀だと諫める声に
(5人) 聞く耳も持たず


(家臣) 「殿下!」
(秀吉) 「わしに意見するとはそれ相応の覚悟があってのことか。」
(家臣) 「申し訳ございません...」
(秀吉) 「首をはねよ!」
(家臣) 「で、殿下!」
(秀吉) 「聞こえなかったのか!首を跳ねい!」
(他) 「はっ!」


(5人) 小さなひび割れは


(家臣) 「近頃の殿下にはついていけぬ。」
(家臣) 「みな、次は自分かと、びくびくしておる。」


(5人) やがて広がる


(家臣) 「今の殿下を諫められるのは、弟の秀長様と...利休様だが」


(長義) 聞こえるか
(長谷部) (ああ)
(小竜) 落ちてゆく音

(鬼丸) 聞こえるか 
(長谷部) (ああ)
(大般若) 転がり落ちる音


(家臣) 「秀長様が息を引き取られました。」
(秀吉) 「秀長!」


(長谷部) 「天正19年1月。弟、豊臣秀長、病死。」
(カゲ) 「殿下は私が守ります!」


(長義) 聞こえるか
(長谷部) (ああ)
(小竜) 落ちてゆく音

(鬼丸) 聞こえるか 
(長谷部) (ああ)
(大般若) 滑り落ちる音


(秀吉) 「利休、もう一度聞く!」


(5人) 一人 また一人


(秀吉) 「謝る気はないか。」


(5人) 去ってゆく


(利休) 「固くお断りさせて頂きます。」


(5人) 一人 また一人


(秀吉) 「腹を斬れ!」
(家臣) 「殿下!お考え直しくだされ...!」


(5人) 去ってゆく


(家臣) 「晒し首にせよ!」


(長谷部) 「天正19年2月。千利休切腹。」


(小竜鬼丸大般若) 耳も両目も
(長谷部↑・長義↓) 塞ぐあなたに
(5人) 何も聞こえない
(4人/長谷部↑) 何も見えない


(秀吉) 「一太郎!何をしておる!」
(カゲ) 「はい。只今!」


(長谷部) 季節は音を立てて 
(小竜長谷部) 巡りゆく
(鬼丸大般若長義) 巡りゆく
(5人) 滞ることなく


(長谷部) 「全て、正史通り...
(小竜) ...俺たちの出る幕はない感じだねぇ。影の彼が奮闘してくれているからさ。
(大般若) まるで...刀剣男士のようだ。
(小竜) なるほど。
(長谷部) 冗談はよせ。刀剣男士だと?審神者の手を経ない顕現があり得るとでもいうのか。
(大般若) そういう話じゃないよ。ただ、秀吉公をよく支えているし、一太郎のおかげで歴史は円滑に流れている。
(大般若) 俺たち風にいうならば、しっかりと歴史を守っている、だろう?
(長義) 俺は偽物がさも本物のような顔をしてのうのうと過ごしているのは大層が気味が悪くてね。吐き気がする。
(小竜) 偽物かぁ。本阿弥光徳が選んだのなら影の方が...
(長谷部) それ以上いうな!
(長義) ...歴史は大きな川の流れのようなもの、俺たち刀剣が歩む歴史もまたその一部。
(長義) この地点の本阿弥光徳の判断一つ、その程度で刀剣男士の存在がこうも簡単に入れ替わってしまうことは、本来あり得ない。
(長谷部) だが実際、一期一振はあの影にとって代わられているぞ。
(長義) あぁ。何か他に原因があるのかもしれない。
(大般若) 彼は中身に拘っていた。焼け落ちたという思い出とやらのせいだろうか。
(雷鳴と雨音)
(大般若) おぉぅ。降ってきた降ってきた。
(長義) へし切長谷部!!!!!!!!!!
(長谷部) ...。
(長義) あなたはこのままでいいのか。
(長谷部) ...あの影を斬れば一期一振が戻るという保証はない。
(長谷部) 引き続き、豊臣秀吉、本阿弥光徳周辺の哨戒を続けてくれ。
(小竜鬼丸大般若) あぁ。
(長義) 分かった。
(長谷部) ...考えろ。へし切長谷部。
(長谷部) ...上善は水の如し。立ち止まるな!」


(市民) 「急げ急げ!
(光徳) 桜さん!こん雨を恨めしゅうおもうとりますやろ。
(小竜) 傘。差さないのかい?
(光徳) あぁ~!あんたんかい!桜の気持ちを味わっとったんすわ。
(小竜) へぇ。でも恨めしく思うのは人だろう?桜じゃない。
(光徳) ...。
(小竜) どうだい?最近の夢見は。
(光徳) すくのうとも鬼はでとりまへんな。
(小竜) そうかい。あ、そういえば偽物にされた方はどうなったのかな?
(光徳) にせもん。
(小竜) 君が選ばなかった方の一期一振さ。
(光徳) あれはどちらも、正真正銘、吉光のお太刀や。
(光徳) 決して偽物なんかやありまへんねん。号を持たぬとも素晴らしきお刀や。
(光徳) そや、あてやったら一期一振、影とでも名付けますやろなぁ!
(小竜) どっちでもいいんだよ。君が秘匿すれば歴史には残らない。
(光徳) ......。
(小竜) 歴史に残るものは、誰かに認められ、世に出たものだけだ。
(小竜) 誰かの個人的な小さな綻びは統合され、消されてゆく。
(小竜) つまり、何処かにはあるんだね。
(小竜) 放り出されたり何処か奥深くに閉じ込められたりしているんじゃなくって。
(光徳) そないなことするわけありまへんやろ。あのお刀こそ。
(小竜) ん?なんだい?あのお刀こそ?
(光徳) ごめんやす...
(小竜) 濡れるよ?
(光徳) この方が、桜がよう~見えますわ...!
(小竜) ふーん。...(傘を差すのをやめて)ふっ。」






M16



(小竜)
花の雨 
泣いているのは
空か? 花か?
濡れそぼつ キミが
儚く散って
傘に残さるるは 
キミの名残


にわたずみ 
浮かぶ筏(いかだ)
キミの名残


(長義) 「いい歌だな。
(小竜) はは。そうだろう?今度教えてあげるよ。
(長義) あなたも、そのひとひら、そう言っていたな。
(小竜) あぁ。俺も...君もね。」


(落ちた桜を拾う長義)
(長谷部が後ろを通る)

(長義) 「随分と......散ってしまったなぁ。
(長谷部) そうだな。春の長雨は好きにはなれん。
(長義) 同意だ。
(長義) ...へし切くん!
(長谷部) はっ!!ふん!
(長谷部) もう突っ込む気もおきん!なんだ!
(長義) 手合わせをしようか。
(長谷部) は?ここで?
(長義) あぁ。(刀を抜刀する)
(長義) ...ではこちらから行くぞ。
(長谷部) ...おい本気か。
(長義) 本気だ。早く抜いたらどうだい。
(長谷部) ...お前はほんとに......!おい!
(長義) 俺が勝ったら隊長を交代してもらおうか。
(長谷部) なにを馬鹿げたことを!
(長義) おや、自信がないとみえる。
(長谷部) まさか。主より命を受けた隊長の座を渡すわけがないだろう!
(長義) やっとやる気になったようだ。
(長谷部) ...いくぞ。
(長義) いつでも。
(長谷部) はっ!
(殺陣が続く)
(長義) ふぅ...こんなものかな。
(長谷部) 肩で息をしているくせに余裕ぶるな。
(長義) それはあなたもだろう。
(長谷部) ふん...ほら。(鞘を渡す)
(長谷部) 些か、思考がすっきりした気がする。
(長義) 考えすぎるきらいがあるからな。俺も、あなたも。
(長谷部) わざとか。わざと俺に手合わせを...
(長義) 俺が煮詰まっていただけだ。受けてくれたことを感謝する。
(長義) 流石、へし切長谷部だ!思いきり当たれた。
(長谷部) ...(ふん)
(長義) なんだい。
(長谷部) いや、敵の目的を考えていた。
(長義) あぁ。そんなことだろうと思った。
(長谷部) お前の知恵を貸してほしい。
(長義) 勿論だ。
(長谷部) 必ず一期一振を取り戻す。」


(大般若) 「この先の鶴松様の事を想うと...なんだか気の毒だなぁ。
(カゲ) この先?
(大般若) いやぁ...
(秀吉) はっはっ!全く...相手をするこっちもヘトヘトじゃ。あ、腰がいとうて敵わん。
(カゲ) 嬉しい悲鳴ですな。
(秀吉) あぁ。いずれわしの後を継ぎ、天下を治める鶴松には健やかであってもらわねば困る。
(子の泣き声)
(秀吉) なっ。あっ寝かしつけが甘かったか。
(カゲ) 私も参りましょう!
(秀吉) あぁ。頼む。」





M17



(大般若) 同じ巣に生まれた 雛鳥
(大般若) どちらが 羽ばたき 
(大般若) どちらが 冷たく朽ち果てる

(大般若) 「知っているかい。歴史というのはね」
(大般若) 「たまらないほどに無情なのさ」


(秀吉) 「このヤブ医者め!!!!」
(医者) 申し訳ございませぬ...!
(秀吉) 鶴松!鶴松!しっかりしろ!誰か!誰か!鶴松を助けられるものはおらんのか!
(医者) あらゆる薬を試してはいるのですが...
(秀吉) 探せ!見つけ出せ!必ずある!鶴松を救う手立ては必ずあるはずじゃぁ...!
(家臣) はぁ...!!」


(切腹をしようとする光徳)
(鬼丸) 「介錯が必要なら...俺が務めてやろう。
(光徳) 鬼衛門殿。
(鬼丸) さあ。いつでもいいぞ。
(光徳) やぁーーー!!!
(鬼丸) 何の真似だ。
(光徳) ......なんと...美しい...。やはりこれは...国綱...!!
(鬼丸) まさか、刀を見たいがために...ふっ。刀狂いとはよくいったものだ。
(光徳) へへ。狂うとりますわ。二条御所が焼けたあの日や、あの声を聞いた日から、ずっと、ずっと、乾いて乾いて仕方ないんや。
(光徳) 心が干からびてもうた。お刀様の声がもう一遍ききとうて、ききとうて...あては、あての心は...あぁ...あぁぁ...あぁーーーー....あぁああああああ」
(光徳) すんまへん。こんなにさらけだしてもうて。お前さまの前やと、本音がどうも零れてまう。やはり、お前さんは。
(鬼丸) お前が思いたいように思えばいい。
(光徳) ...。
(鬼丸) 俺は、鬼を斬る!お前もお前にしか出来ぬ仕事をしろ。それを言いにきた。
(光徳) ...あてにしか...
(一期) 私にしか...
(光徳) 出来ん仕事。
(一期) 出来ぬ仕事。」


(カゲ) 「殿下!
(秀吉) 一太郎!何処に行っておった!でかしたぞ!一太郎!
(カゲ) え?
(秀吉) これを用意したのはお主だろう?お主が去った後に置いてあったぞ。
(カゲ) いやあ...
(秀吉) おかげで鶴松の容態が少し上向いてきた。もしかしたら...持ち直すかもしれん!
(カゲ) 左様ですか!
(長谷部) 発病した鶴松が回復しただと!
(大般若) あぁ。あらゆる祈祷や治療薬を施しても、助からないのが正史なはずだが...
(長谷部) 時間遡行軍の仕業か。
(長義) 恐らくそうだろう。
(大般若) 鶴松が生きたままでは歴史は大きく変わってしまうな。
(長谷部) 俺が...
(長義) 俺にやらせてくれ。
(長谷部) 隊長は俺だ!
(長義) ならば、俺にやれと命じてくれ。
(長谷部) くっ、お前は思った以上に頑固だな。
(長義) その言葉、そっくりそのままお返しするよ。...さあ命じろ。
(長谷部) 共に行く。
(長義) おい!
(長谷部) それが隊長としての命令だ。
(長義) ...分かった。
(長谷部) よし。
(小竜) (パンパン!)やるってまさか、斬ろうってんじゃないよねぇ。
(長谷部長義) 何か問題があるのか!
(小竜) 大ありだよ!愛おしい我が子が斬られたとなればどうなる?秀吉公なら戦争の一つや二つ、起こしかねないだろう?
(長谷部長義) あ。
(大般若) 歴史を守る、どころの話ではなくなるなぁ。
(小竜) 少し時間をくれないか?俺は色々旅をしてきたからねぇ。当てがないわけじゃない。」


(光徳) 「あてにしか出来ん仕事...鬼丸様はそうおっしゃった。
(光徳) お刀様を守るためやったとは言え、そん前で偽り事など...せや。このお刀様こそ...」






M18



(一期)
映すのが己でも 
映るのが己でも 
今の私に

(一期) 「出来ることが、あるのであれば...!」


(秀吉) 「ちゃうちーちゃうちーあわわー。
(秀吉) かぶりーかぶりーしおのめー。
(秀吉) かぶりーかぶりーじゃ。ははっ。
(カゲ) 鶴松様のご回復、喜ばしい限りです。
(秀吉) あぁ。一太郎、ようやった。ようやったぞ。
(家臣) 殿下。本阿弥光徳様がお見えです。
(秀吉) わしはよんどらんぞ。
(家臣) なにやらお話があるようで。
(秀吉) 今、鶴松は回復したばかりで余談ならぬ!日を改めよと伝えよ。
(家臣) はっ。
(光徳) 殿下!お願いします!どうかあての話!
(秀吉) 光徳のやつめ!チッ。かような大事に一体何の話...
(カゲ) 殿下...殿下!大丈夫ですか?酷くお疲れでしょう。
(カゲ) どうぞお休みになってください。
(秀吉) はぁ...じゃが、どうも胸騒ぎが収まらん。
(秀吉) どこまでいっても、不安が付きまとうて敵わんのじゃ。
(秀吉) 九死に一生を得た鶴松がいつまた倒れるかと思うと...
(カゲ) 殿下...
(秀吉) 豊臣家のために、絶対に、絶対に!鶴松を手放すわけにはいかん。
(カゲ) 殿下...
(秀吉) のう一太郎。安心しろと...いうてくれ。初めておうた時みたいに。
(秀吉) 恐怖で縮こまっているわしの心を救ってくれんか。
(カゲ) ご安心ください殿下。
(秀吉) ...何故...笑ってくれんのじゃ?あの時は微笑んでくれたじゃろう。
(カゲ) ご安心ください...
(秀吉) 違う!違う違う!!!!...もうよい。
(秀吉) そんな引き攣った笑顔では...ますます、不安を煽られてたまらん!
(カゲ) ご安心ください殿下...ご安心ください殿下...
(カゲ) ご安心ください...ご安心ください...」


(長谷部) 「遅効性の毒か。
(小竜) あぁ。徐々に衰弱していく。病気がぶり返して死んだように見えるはずだよ。
(長義) 苦しみはあるのか。
(小竜) いや、きっと眠るように死んでいくはずだ。
(長義) そうか。
(長谷部) 怯むのなら...
(長義) まさか。
(大般若) 俺たちは、周りを固めておくとしよう。
(小竜) あぁ。
(長谷部) では行くぞ。
(長義) あぁ。
(鬼丸) んっ!?今。
(小竜) なんだい?
(鬼丸) ...いや。」

(奇襲を仕掛ける長義と長谷部)
(長谷部) 「ここだな。
(長義) そのようだ。
(カゲ) はっ!
(長谷部) お前と戦いに来たのではない。歴史を守るために...
(カゲ) 歴史?私が守るのは主、豊臣秀吉公。あの方を傷つけるものは...誰であっても斬る!
(長谷部) お前は鶴松を!
(長義) あぁ!
(カゲ) させない!
(長義) うっ...(斬られる長義、小瓶を落としてしまう)
(家臣) 何事じゃー!!!
(長谷部) 一旦引くぞ。山姥切長義!
(家臣) 何があった。
(カゲ) 恐らく、敵の間者かと。
(秀吉) 鶴松!鶴松は無事か。
(カゲ) はい!この騒ぎでも目を覚まさぬとは、鶴松様は大物ですな!
(秀吉) はぁ...一太郎。ひん...ようやった。あぁ...ようやった!ようやったー!
(一期) 私の中に、あなたとの思い出はありません。
(一期) 全て豊臣の災禍と共に焼け落ちましたから。
(一期) きっと、可愛い赤子なのでしょうけど...私にとっては生かしておけぬ歴史の異物...
(一期) これが、私に出来ることです。どうかこの懺悔を餞に。......御免。(子の口に毒を流し込む)」

(お経)
(カゲ) 「...よくも鶴松様を。
(小竜) 一対五でやる気かい?
(鬼丸) まず戦うべきは俺たちではない!
(大般若) 歴史が守られたが故に、敵さんが動き出したか。
(長義) 秀吉公が危ない。
(カゲ) 殿下...!
(鬼丸) 鶴松をやったのは...
(長谷部) その話は後だ。まずは...
(鬼丸) 一期一振。
(長谷部) ...なに?
(鬼丸) 微かだが気配を感じた。
(鬼丸) 心や念のようなものは見えずともそこにあるからな。
(長谷部) ...殿下を頼む。
(鬼丸) あぁ。」


(光徳) 「鶴松様は残念やった。けど、殿下へのお目通りの機を逸してもうた。
(光徳) お刀様。申し訳ありまへん。もうしばしお待ちを。
(長谷部) 失礼致す!
(光徳) どないしはりました。
(長谷部) これは...一期一振だな。
(光徳) ...。
(刀の前に胡坐をかく長谷部)
(長谷部) 一期一振!聞こえるか。
(光徳) なにを...
(長谷部) この長谷部の声が聞こえるか。聞こえるだろう!
(長谷部) いつになったら戻って来る。待ちくたびれたぞ。
(長谷部) お前は我が主が我が本丸に顕現した、正真正銘の一期一振だ。
(長谷部) 誉を高き名をそ受けた、一期一振だ。違うか。
(長谷部) 一研師の見極め一つで形さえ失くしてしまうなど大したことはないな。
(長谷部) 影に全てを奪われて悔しくはないのか。
(長谷部) 俺は...悔しいぞ!!何が焼け落ちていようが、
(長谷部) 何が抜け落ちていようが、俺の知っている一期一振が全て!何不足ない!
(長谷部) すぐに戻ってこい!隊長命令だ。
(長谷部) 急に失礼した。
(光徳) ......真っすぐで...曇りなきお方や。
(光徳) まだお会いしたことはあおへんけどよう似たお刀を知っとりますわ。
(光徳) いつか、お会いしたいもんや。
(一期) 会えますよ。近いうちに。
(光徳) えっ...なんや、話しかけてくれはったんですか?へへっ。
(光徳) 人間業とは思えん。崇高な輝き。流石、粟田口吉光の最高傑作や。
(一期) 私は粟田口吉光の、生涯一振りと言われる、太刀。
(光徳) なんと...美しい。
(一期) 当然ですな!
(光徳) こうしちゃおれん!」


(カゲ) 「ふっ!斬る!
(大般若) まずい!関白はこの奥だ!
(長義) なに!?
(カゲ) 殿下...!
(小竜) はぁ...!斬り捨てようか。
(鬼丸) ふんっ。やあ!やああ!
(小竜) 君とはなんていうか...戦い慣れてる感じがするから不思議だ。
(鬼丸) 昔一緒に鬼退治でもしたんだろう。
(光徳) 殿下ー!!!殿下ー!!!なんやこりゃ!!!!
(光徳) うやああ!鬼丸...
(鬼丸) 衛門!
(光徳) 鬼衛門!!!
(小竜) こっちだ!
(光徳) はい!
(鬼丸) 邪魔だ!どけ!!!」


(秀吉) 「鶴松...鶴松...!
(カゲ) はぁっ!...大丈夫ですか!
(秀吉) 鶴松...
(カゲ) 殿下?
(大般若) 無事のようだな。
(秀吉) 全部...終わりじゃ...
(カゲ) そんなことは...!
(秀吉) 一期一振、わしにはもう、重すぎる名じゃ...
(長義) 北条を滅ぼした豊臣が...こんな腑抜けになるとは...
(長谷部) 亡き織田信長の夢を叶える。そう言っていたのはどの口だ。
(秀吉) 信長?ははっ...もう...どうでもよいわ...
(カゲ) その手を放せ!!!!
(長谷部) 死んだ魚のような眼をしたお前に、あの男を超えることは出来ない!
(長谷部) 夢のまた夢だ!!!
(秀吉) こぉのぉ無礼もの!!!そこへなおれ!!!わしが成敗してくれるわ!!!
(光徳) 殿下ーー!!!!
(秀吉) なんじゃあ!!!
(光徳) このような大事に失礼いたします。真に畏れながら申し上げたいことがございます!
(カゲ) 何をする気だ!!
(光徳) 殿下が今、お手にされている吉光は...
(カゲ) やぁめろぉぉおお!!!
(鬼丸) 続けろ!!!
(光徳) お手にされている吉光は...
(カゲ) やめろお!!!
(光徳) 一期一振にはございませぬ!!!!
(秀吉) 何を言う!!!
(光徳) こちらが...真の...一期一振にございます!!!!!
(光徳) 本阿弥家の技のすべてをかけて砥がせて頂きました。
(光徳) こちらが紛うことなき、粟田口吉光作、
(光徳) 一期一振の真打ちであることは殿下の目にも、しかと映るかと!
(秀吉) なんじゃ...この神々しさは...!!
(カゲ) やぁめろぉぉおお!!!!
(秀吉) ...これぞ正しく!!!一期一振!!!!!
(一期) 天下三作にして至高。粟田口吉光の太刀。
(一期) 今の主に、顕現されこの身を受けた、一期一振とは、我なり!!
(長谷部) 遅いぞ。
(一期) 説教は後で聞きます。
(一期) 磨り上げてでも佩刀したいと仰ってくれたこと、この一期一振の誇らしき物語にございます。
(カゲ) うぁあああああ!!!
(一期) 各個撃破と洒落こみますか!
(長谷部) 恨みはないが、主命だ。死ね。
(鬼丸) やぁ!
(長谷部) はぁっ!(斬)
(長谷部) 行くぞ!
(6人) あぁ!!
(小竜) ふっ。やれやれ死の匂いがぷんぷんしてるぜ。
(大般若) 敵さんも必死だなぁ。
(一期) 一期一振、参る!






M19



(本阿弥光徳)
鈍く鋭く輝き 生と死の狭間照らす
高く尊く輝き 悠久の時を渡る
戦うための形 命断つための形

この目を奪い 心を乱すほどの美しさよ

(6人) 決して引く気はない 負けられぬ戦


(一期) 「危ない...!
(一期) 流石吉光の太刀、良き刀ですな。
(一期) 伊達ではない、その名を見せつけましょう。
(一期) 参る...!(カゲ、一期が共闘)
(一期) どうしても、似るものですね。
(一期) では...参りましょう。
(光徳) なんやありゃあ...
(秀吉) 武者か。神か。はたまた鬼か。
(一期) あなたの中に、私はひと時の夢を見たのでしょう。
(一期) それは...がらんとした、私の中を埋める何かのような気がした。
(一期) でも、それは敵わぬ夢。きっと何をしても埋まらない。
(一期) それが私なのです。それが、刀剣男士、一期一振なのです。
(一期) ...御覚悟。
(カゲ) ぁあ...!(斬られるカゲ)
(カゲ) 影はその名で語られず、消えるだけ...
(一期) えぇ。そうですね。ですが!私が...
(カゲ) 忘れろ。覚えて...おくな。
(一期) そういわれても...自分の影、いや、私の兄弟のことを忘れるわけにはいきませんな!はははっ。
(一期) 弟たちにもたまに叱られます。頑固だと。
(一期・カゲ) はははっ。はははっ...はは...(消えるカゲ)
(一期) 私は...今どんな顔をしているでしょうか。
(一期) 自分ではよくわからんのです。
(長谷部) ...いつも通りだ。
(一期) はい。」


(光徳)
「昔、一度だけ。お刀の声を聞いた、ような気がした。
ようやっとあての神様の声が聞こえたと、以来ずっと...お刀の声に、
耳を傾けて参りました。いまやったら分かります。
あては...あてが聞きたいことを、聞こえた気になっとった。思い上がりです。
刀は、心で見ようとしてはいかんのです。
この目で。この目...だけで。見極めんと。
心は、嘘を吐きます。心は...見栄を張ります。
心は...叶わん夢を...見ようとします。
そして心は......醜く、されど、美しい。
あては今日も...お刀の傍で、砥水をゆらすだけです。」


(鬼丸) 「唐入りが始まった。正史通りだな。
(一期) はい。
(鬼丸) 豊臣家の末路は実に悲惨だ。
(一期) そうですな。
(鬼丸) 傍に置いていれば俺のせいに出来た。惜しいことをしたものだ。
(一期) ええ。ですが、あなたを長らく扱っていた本阿弥家は途絶えることなく、
(一期) ずっと血が受け継がれていきますな。
(鬼丸) あぁ。鬼が来ないよう、俺がずっと見張っていたからな。いくぞ。
(一期) いきましょう。」






M20



(満開の桜)

(長義) 花の雨 泣いているのは 
(長義) 空か?花か?
(長義) 濡れそぼ..
(長谷部) 濡れそぼつ君が
(長谷部) 儚く散って


(長義) 「長谷部も知っているのか。
(長谷部) 山姥切国広が歌っているのを聞いたことがある。
(長義) なんだって?
(長谷部) あ。
(小竜) いや~。いいお花見日和だね。
(長義) 小竜景光。ちょっと話がある。
(小竜) なんだい?
(一期) 鬼丸殿!大般若殿!こちらです!
(長義) あの歌は、山姥切国広が歌ったものなのか?
(小竜) さあ、どうだったかなぁ。
(大般若) お~~い!ソハヤノツルギからこんな酒をもらったよ!
(長義) だったかな、では困る。
(小竜) でも君、いい歌だって言ってたよね。
(長義) なっ。く...。
(小竜) ほら、見てごらんよ!長義!
(長義) まだ話は終わって...
(小竜) (しー)
(長義) これは凄い...!
(大般若) 口説きたいほどの美しさだなぁ。
(一期) えぇ。
(長谷部) 桜という名を表すような見事の咲きっぷりだ!
(鬼丸) あぁ。だがその名で呼ばれなくとも、この花は美しい。
(大般若) Fu~🎵(口笛)(成功しちゃったぜ!の顔)
(小竜) あなたにしては良い頃合いで成功させたねぇ!
(大般若) やるときはやるんだよ!俺は!
(小竜大般若) はっはっはっはっ!
(大般若) よーし。飲もうじゃねぇか!
(小竜) あぁ!はっはっはっ。」






M21



(長谷部) 東の空に陽炎 揺らぐ炎に似た影
(長義) 零れ落ちた 一篇の歌 詠み人知らずの歌
(一期鬼丸↓) 触れた砥水に移ろう 揺らぐ微かな花影
(小竜大般若↓) 零れ落ちた美しき歌 詠み人知らずの歌

(6人) 名もなき歌は 風に消えていった
(小竜一期長義) 誰にも知られることもなく
(鬼丸大般若長谷部) (知られることもなく)
(6人) 名もなき花は 咲いたことにさえ
(小竜大般若長谷部長義) 気付かれることは
(鬼丸一期) (気付かれることは)
(6人) ない

(長谷部) 一寸先は
(小竜鬼丸一期大般若) (壁一重)
(長義) 闇

(小竜鬼丸大般若長谷部) 一寸隣は
(一期) 影
(5人) (紙一重)

(長谷部長義大般若) 触れた砥水に移ろう
(小竜鬼丸) 揺らぐ微かな花影
(6人) 零れ落ちた忘れえぬ歌 詠み人知らずの歌

(一期) かの花は
(5人) 花は
(小竜) 呼ぶ名を持たず
(5人) 持たず
(6人) かの歌は 詠み人知らず





  花影ゆれる砥水 2部[全曲]歌詞パート分け







  江 おん すていじ ~新編 里見八犬伝~ ライブパート 
  江水散花雪 歌詞パート分けまとめ


真剣乱舞祭2022 福井~宮城公演セットリスト
真剣乱舞祭2022 福岡~東京公演セットリスト







※パート分け、歌詞は予想の段階であり、確証を得るためのものではありません。
ミュージカル『刀剣乱舞』公式
刀ミュ みゅーじかるとうけんらんぶ 新作公演 はなかげゆれるとみず こりゅうかげみつ だいはんにゃながみつ

23/04/30