今年もこの日を迎えました。言うまでもなく我々の住む日本列島は絶えず自然災害の猛威にさらされています。

新年間もなくの能登の地震もそうです。でも、最近感じることなのですが、そうした現実に向かい合う際に、国や行政のハード面の整備に期待を寄せるばかりでなく、一人一人が何をすればよいのだろうか、というソフト面での充実を心掛けた試みが少なからず見受けられていることです。

 2024年のこの日、アラ還と呼ばれる年に差し掛かったわしは、勤務先から午後半休をいただき、フクシマを訪れました。

隣の県だから、と気軽に考えたしまったのを後悔するほど、福島県の懐は深かったです。いわき市だけで東京23区と同じぐらいの面積があるそうですが、そのすぐ上に位置する双葉郡楢葉町にあるJヴィレッジは遠かったです。おなかもすきました。

 イベント会場に行けば、屋台の出店で何か食べられるだろう、それが僅かでも復興支援につながれば良いことした気分になれるだろうと、思っておりましたが、

 

 ゲットしたのは300円のTKG。会津地鶏のおいしい卵かけご飯でしたが、これだけってせこくね?

 

 で、何ゆえにフクシマまでわざわざ平日の夕べ、出かけてきたのだろうか。高速料金だって割引にならないのに。

その心はもちろん、藤原さくらちゃんの生歌が聞けるからです。一昨年から昨年春までの弾き語りツアーに外れまくったわしは、入場無料のこのイベントをinterFMで知って、ひそかに参戦を願っておりました。

 

 会場は室内グラウンドの人工芝の上に座って見る。今まで渋谷のライブハウスで立ち見だったことを鑑みりゃあ、のんびりできました。

 で、肝心のステージは、というといきなり音合わせで予告なしに登場して「500マイル」、そう忌野氏の名訳で知られているカントリーのスタンダードを歌ってくれました。やっぱ、生歌は全然ちゃうやんけ、といっぺんでハートがぬくもりました。

 童謡「春よ来い」から、始まってスピッツのカバー「春の歌」、これが一番聞きたかった、に続き、渋谷でも聴いた「まばたき」や「DAYBREAK」、そしてなんとサッチモの「この素晴らしき世界に」や唱歌「ふるさと」まで歌ってくれるだなんて。ほっこり癒しの歌声に慰められたのは、地上にいるわしらだけではないのでしょうね。40分ほどのステージでしたが、最後は寒くて指が動かない?なんて言っておりました。東北だものね。

 

 会場の外に設置されたキャンドル。神戸でもおなじみですけれども、大きな痛みが地上を覆いましたけれども、残された者たちの祈りがそれを少しでも癒してくれるのかもしれません。

 

レーザー光は天に向けて放たれています。地上の祈りが天に届きますように。と少し高尚な気分も感じながら、フクシマを後にしました。さくちゃん、素敵な歌をありがとう。次は5月のNHKホール、初めて座席に座って音楽鑑賞させてもらいますからね。