師走に入り、風は冷たくなりました。一方で年末の賞与もいくらか入り、わずかながら心も温もりました。少し余裕の出費などもできるので、代休をもらった今日は、毎月一度の病院での検査(耳鼻咽喉科、放射線科)を終えてから、タイヤ交換やインフルエンザの予防接種などもスケジュールに入れるハードな一日を送りました。

 そのあいまには栄養補給も忘れず行います。いつの間にかラーメン+小ライスのセットで千円になりました。こっちに来た頃は680円ぐらいだったと記憶しております。21世紀の今ではラーメンいっぱい千円近くする店も珍しくはないのですが、それでも海外へ行ったらこの2,3倍はかかるとのことです。気が付けば日本は貧乏大国に転落してしまったのかもしれませんね。

 それでも忘れじの故郷の味ですから、心置きなく味わいたいものです。筑波おろしの冷たい風が何となく京都の比叡おろしを思い起こさせ、底冷えの足元と重なって、なつかし気分にさせられます。しかしつくばには今出川通に輝く同女のクリスマスツリーに匹敵するモニュメントは見当たりません。

 きれいなイルミネーションはあるのですが。

 

 その一つに数えられていたと思われるララガーデン、閉鎖して解体作業が始まりました。令和の御代には時代遅れになってしまったのかもしれませんね。ゼロ年代まではおしゃれな若者文化を発信していたようですが。

 

 学園都市を後にして、午後はくたびれたマイシティ土浦に舞い戻りました。冒頭のパネルは、一昨年の夏、突然この世を去った地元出身の俳優・三浦春馬さんですが、彼がなくなってから公開された映画「天外者(てんがらもん)」が上映されているというので、興味を持ちました。三浦春馬については、子供たちの方が年齢も近いし、小中学校の先輩ということもあって思い入れも強いのかもしれませんね。

 

 映画の内容は、幕末維新期の青春群像という今もって新たな解釈が飛び交う意味深な時代に、史実をベースにしたフィクションと言えるでしょう。細かな事実確認などはこの際無用で、幕末維新のヒーローたちがそれぞれ何を願って生きてきたのか、あるいは時代の変化についていけない人たちの目線も今までになく描かれているように思えました。

 それと念願かなって英国留学を果たした春馬演じる五代友厚の滞在地ロケはなんと同志社の今出川キャンパスやないか。彰栄館やチャペル、それにクラーク館まで出てきやがる。わしにとっては母校やないか。思わずわろた。

 もう一つ、映画の中ではあるが、主人公は抜群の能力を持って新しい時代を開こうと邁進していくが、あちこちでずいぶん反発を招いている。実際の五代友厚がどういう人であったか、わしはまだまだ不勉強なので語る身分にはないけれども、孤立無援の姿がひょっとして、俳優三浦春馬自身の姿と重なって映るように見えなくもない。実際の人物像を語るにはあまりにもナーバスな問題なので、ここまでにしておくが、エンディングのシーンには主人公が多くの大阪市民から慕われた結末になっているのが感動的です。

 エンディングロールが終わり、場内が明るくなったら、会場にはわし一人しかいませんでした。平日の午後とはいえ、貸し切りやがな。

 ちなみに2年前にやってきたときも同じ状況でした。その時の作品は以下の通りです。

 

 

 

 劇場内にはささやかながら、三浦春馬さんへの追悼の祭壇がありました。土浦市民はもとより、多くの映画ファンに愛された証であるこのような場所が設けられているのはある意味幸福なのかもしれません。

 

 そして「土浦セントラル」といえば、2016年以来最も長く「この世界の片隅に」を上映し続けてきた場所として片淵監督さんも何度か来てくれたことがあるようです。コロナの緊急事態宣言が出された時もひたすら「無観客上映」までしてくれたとか。

 今でもすずさんはじめ登場人物の息遣いが聞こえてきそうな雰囲気あります。

「それは凄いことなんじゃない?」と君が思ったら

「うちは、ぼーっとしちょるけえ」という声がどことなく聞こえてくるかもしれません。