『闇先案内人』(2001年)

主人公の逃がし屋グループのリーダー・葛原が、情報を得るために暴力団員の本条と待ち合わせた場所。


2023年3月末で閉店した八重洲ブックセンター旧本店は、東京駅八重洲口を出て直ぐの場所にあった、地上8階地下1階建てのビル。

本条が指定した喫茶室は、おそらく2階にあった「ティファニー」というカフェ。


(写真はウィキペディアより)

建設時は鹿島建設の本社ビルでしたが、1968年に鹿島建設は赤坂見附に本社を移転。
無類の読書家であった、会長・鹿島守之助(1975年没)の「どんな本でも直ぐに手に入る書店が欲しい」との意思を受け、1978年に株式会社八重洲ブックセンターが旧本社を改装して開業しました。

開業前はビルの全9フロアを売り場にする予定でしたが、書店組合から「近隣書店の営業を圧迫する」との抗議を受け、地下と地上4階の5フロアで営業を開始。

雑誌もコミックも置けないという制限があったことや、ビジネス街やターミナル駅が近くにある土地柄から、ビジネス書・専門書・文芸書・旅行ガイドなどを充実させ、在庫数120万冊、展示冊数40万冊の、日本最大の書店として営業。

その後、1985年に6フロア、95年に8フロアと売り場面積を広げ、2005年にようやく全9フロアでの営業を行うことができました。

広い店内にはイベントスペースも有り、毎月のようにビジネス公演会や著名作家のサイン会などが開催され、大沢在昌さんのサイン会も行われたことがあります。


株式会社八重洲ブックセンターは、首都圏の商業施設内(イトーヨーカドー、京急百貨店、ルミネなど)をメインにチェーン展開を行っていて、今年2月には杉並区に阿佐ヶ谷店をオープンさせています。

2016年、出版物総合商社の株式会社トーハンが八重洲ブックセンターの株式の約半数を取得し、トーハンの山崎厚男元会長が社長に就任。現在はトーハンが経営の主導権を持っています。
 

2023年、東京駅八重洲口周辺は鹿島建設と住友不動産が進める「八重洲二丁目中計画」の計画地であるため、2023年3月31日に閉店となり、株式会社八重洲ブックセンターの本社は千代田区神田へと移転しました。

一時閉店から1年以上経った現在も移転先は決まっていませんが、旧本店の跡地には地上43階建ての超高層大型複合施設が建設予定(2028年完成予定)であり、本店のそちらへの入居は既に決まっているようです。

(追記)
このブログをアップした2日後、株式会社八重洲ブックセンターは「八重洲本店のレガシーを継ぐ店」として、東京駅構内の商業施設グランスタの地下1Fに「八重洲ブックセンターグランスタ店」を6月14日にオープンすると発表しました。