大沢作品登場回数No.1の車、メルセデス・ベンツ。

今回は区切りのいい回なので、メルセデスを取り上げます。



ベンツ社は1868年にドイツのカール・ベンツによって立ち上げられた自動車メーカー。


同じ頃、ゴッドリーブ・ダイムラーも自動車メーカーであるダイムラー社を設立。

1899年頃、ダイムラー社のディーラーであったエミール・イェリネックは、販売する車に「ダイムラー」ではなく、自分の娘の名前である「メルセデス」を冠するようになります。


そして1926年、ベンツ社とダイムラー社が合併し「ダイムラー・ベンツ社」となったことが、メルセデス・ベンツブランドの起源となります。


ダイムラー・ベンツ社の成長の後押しとなったのが、ドイツ労働者党の党首であり、自身もカーマニアであったアドルフ・ヒトラー。

モータリゼーションを推進したヒトラーの愛車は、メルセデス・ベンツ770Kでした。


(メルセデス・ベンツ770K  ヒットラー専用車。写真は全てウィキペディアより)


第二次世界大戦後は西ドイツに本社を置いたダイムラー・ベンツ社は、1950年代にドイツの経済復興とともに成長。
モータースポーツ界や一般市場に数々の名車を生み出し、世界的なメーカーとなります。


(メルセデス・ベンツのエンブレム)

ダイムラー・ベンツ社のエンブレムは、ダイムラー社のスリーポインテッドスターと、ベンツ社の円形月桂樹マークを組み合わせたもの。

その後、ダイムラー・ベンツ社は
1998年 クライスラー社を買収して「ダイムラー・クライスラー」に
2007年 クライスラー社との協業を解消し、「ダイムラー」に
2022年 「メルセデス・ベンツAG」と商用車製造の「ダイムラー・トラック」に分社。

といった変遷をたどりますが、メルセデス・ベンツの名前とエンブレムは一貫して使用されてきました。

 

メルセデス・ベンツで高く評価されるのは、高い安全性。
1980年代にいち早くエアバッグを導入したり、ジグザグ形状のATシフトレバー、レインランネル(雨水が窓に流れない車体構造)、横滑り防止装置、ドアミラーに内蔵されたウィンカー他多数の安全機能をいち早く導入し、世界の自動車メーカーの手本とされています。 


車種の豊富さも世界トップレベルのメルセデス。
2014年、メルセデス・ベンツAGは多種・複雑化したモデル名を整理するべく、新規制を設けました。

モデルナンバーの頭にクラス(ボディサイズ)を表すアルファベット。
続く3桁の数字はエンジンの排気量を表し、180であれば1,800CCクラスのエンジンを搭載しているという意味です。
(数値は自然吸気による排気量で、ターボエンジンの場合は車名数字より高くなります)

数字の後にくる名前はグレードを表します。
アバンギャルド=スポーツ志向で精鋭的。
エクスクルーシブ=現代的な高級志向。
エレガンス=エクスクルーシブとほぼ同意語のため廃止されましたが、日本仕様車のみ現在も使用されています。
AMG=ハイパフォーマンス仕様。
4MATIC=4WD

また、数字の後ろに付く小文字アルファベットが付く場合はパワートレイン(動力システム)を表していて、
記載なし=ガソリン車
C = 圧縮天然ガス車
d = ディーゼル車
e = 電気自動車
f = 燃料電池自動車
h = ハイブリッド車
を意味します。

 
大沢作品内では「メルセデス」としか書かれていないことが多いので、読みながらどんな車かイメージできるよう、現行の各クラス(ボディサイズ)毎の代表的なモデルをあげていきます。

○Aクラス
メルセデス・ベンツA180(2018年〜)

Aクラスは5ドアハッチバックモデルと4ドアセダンがあり、メルセデスの中でも最も小型で価格もリーズナブル。

全モデルに液晶メーターとナビが繋がったディスプレイが標準装備され、ナビはメルセデス初のタッチパネル式になっています。

○Bクラス
メルセデス・ベンツ B180(2019年〜)

Aクラスと同装備、全長と全幅はAクラスよりやや小ぶりながら全高が140mm高くなっていて、広い室内を確保した5ドアハッチバック。

AとBクラスは、大沢作品では女性キャラが乗るイメージでしょうか?

○Cクラス
メルセデス・ベンツ C200(2021年〜)

2ドアクーペ・セダン・ステーションワゴン・ガブリオレがラインナップされていて、外観の高級感や豪華な内装が「メルセデス=高級車」を実感させられます。

エンジン性能やボディサイズが日本の道路事情や駐車スペースに最適なためか、後述のEクラス・Sクラスが販売の主流であるメルセデスにあって、日本ではCクラスが最も売れています。

『ザ・ジョーカー』(2002年)の主人公・ジョーカーの愛車だったメルセデス190EコスワースもCクラスサイズでしたし、大沢作品の主人公には最低Cクラスには乗って欲しいところ。

○Eクラス
メルセデスE300アバンギャルド(2016年〜)

メルセデス内のランクでは中の上、2ドアクーペ・セダン・ステーションワゴン・ガブリオレがラインナップされています。
 
Cクラスより一回りほど大きいサイズで、他社の同サイズモデルと比べると標準装備が豪華かつ数も多いのが特徴。
ただしエンジンのバリエーションの豊富さではCクラスにやや劣ります。

大沢作品では極道の本部長クラスや、『無間人形  新宿鮫ⅠV』(1994年)でアイスキャンディの密造をしていた香川進のメルセデスといったあたりでしょうか。

○Sクラス
メルセデス・ベンツS450(2020年〜)

メルセデス・ベンツのフラッグシップモデルであり、Sクラスクーペ・4ドアセダン・クロスオーバーSUVがラインナップされ、Eクラスと同等の販売台数を誇ります。

全長5,000mm以上かつ全幅1,900mm以上。そしてそのエンジン性能は日本の道路事情では真の力を発揮できないかもしれません。
ハイパワーでありながら高い安全性、完璧な車内環境を誇ります。

極道の組長、大企業の社長、大富豪の権力者などラスボス感のある人物の車でしょうか。

○Gクラス
メルセデス・ベンツG500 4MATIC

5ドア4WD。もともとは軍用車として開発されたモデルですが、9速ATによるオフロードでの力強い走りと、レーダーセイフティパッケージ導入によるオンロードの安全と快適さを両立させたモデル。


大沢さん!
新作からは是非メルセデスにモデル名をお願い致しますm(_ _)m 
私のネタが尽きてしまいます(笑)