『狩人』シリーズの主人公・佐江の過去最大の危機は、伝説の殺し屋といわれる凄腕の男と一対一で対決した『雨の狩人』(2014年)
青山通りで張り込んでいた佐江の覆面パトカーに、いきなり乗り込んできた殺し屋の佐藤は、佐江に拳銃を突きつけ「青山墓地に行け」と指示します。
佐江は隙を見て車を墓石に衝突させ、佐藤がひるんだ隙に墓地内へ逃げ込みました。
◆
青山霊園は1874(明治7)年に南青山二丁目に開園した、広さ26.3ha(約7万9千坪)の国立霊園。
会津藩出身の桐生氏が1872年に建設した立山墓地が起こりでしたが、1874年から市民の公立墓地として利用されるようになり、1926(大正15)年に土地・斎場など全てが東京都に寄附されました。
園内は桜並木が縦横に走り、全面積の59%が緑に覆われています。
墓所は一般利用施設と立体利用施設があり、令和5年4月時点で一般の利用者数は13982人(130799人が埋葬)、立体の利用者数は971人(3772人が埋葬)
各界著名人のお墓も多数有ります(五十音順・敬称略)
〈元内閣総理大臣〉
池田勇人・犬養毅・加藤高明・加藤友三郎・黒田清隆・小磯國昭・濵口雄幸
〈学者・博士・官僚〉
北里柴三郎・吉原重俊・斎藤茂吉ほか
〈政治家・官僚〉
大久保利通・結城豊太郎ほか
〈実業家〉
田中久重・森永太一郎ほか
〈作家・歌人〉
尾崎紅葉・国木田独歩・志賀直哉・星新一ほか
〈芸能界〉
市川團十郎・市村羽左衛門・小林麻央・中村歌右衛門・中村吉右衛門・野村万蔵・坂東彦三郎・宮田輝・山村聰ほか
他にも軍人・政治家・学者・官僚が多数…
私の無知ゆえにお名前の無い方はお許し下さい。
変わったところでは、元東京帝国大学教授・上野英三郎のお墓には、愛犬の忠犬ハチ公が
「六道輪廻」の思想のためか、忠犬ハチ公のお墓は別にあります。
2000年以降、都は「青山霊園再生計画」に基づき、無縁仏の改葬や緑地部を整理を行っており、一部墓所の新規(または再)使用者の募集も行っています。
その貸付費用は440万円代から1135万円代と幅広く、他に年間費用として1400〜1800円が必要となります。
◆
殺し屋の佐藤は人気のない場所で佐江を始末するつもりでしたが、広大な敷地が佐江に味方し、墓石の陰に身を隠した佐江は応援を呼んで九死に一生を得ました。