『東京騎士団』(1985年)の主人公・タカの愛車は、近年の作品にはあまり登場しなくなったイギリス車でした。




ジャガーXJシリーズは、イギリスのジャガー社が販売していた高級4ドアセダン。


1960年代、ジャガー社には高級大型サルーンの「マークX」と、小型サルーンの「Sタイプ」の2種類がありましたが、新たなサルーン車の開発が進められていました。


1968年に初代モデルが誕生。XJ−6とXJ−12がラインナップされました。

作品に登場したのは、1979年から1986年まで製造されていたXJ12シリーズⅢと思われます。


名前の通りV12気筒SOHCエンジン搭載で、排気量5000CC以上、最高速度223kmのハイパワー。


前シリーズⅡの欠点であったリアシートの頭上の狭さを改善するため、屋根の後端部分を高くし前後の窓の大きさを同じにする改良が加えられました。


このXJ12シリーズは、ジャガー社が傘下に置いていたイギリスの高級自動車メーカー・ダイムラーからも「ダブルシックス」の名前で販売されていました。


1986年にジャガー社が直列6気筒エンジンのXJ40を発表したことにより、XJ6は販売を終了しましたが、XJ40には12気筒タイプが存在しなかったため、XJ12のみしばらく生産が続いていました。