最近、自分が生まれ育った碧南の昔の姿がとても気になる。
そんな中、貴重な話を聞く機会があった。
その方のお父さんはまだちょんまげ姿の人と同じ時代を生きていて、碧南にもまげ姿の人がいたとか、
昔、碧南には大変な賑わいの海水浴場が三つあって牛車に乗ってみんな遊びにきていたとか、
温泉街があり花街がありお金を稼いだ若い男が競うように遊びに行ったとか、
戦争中はこの辺りにも爆弾が落ちたとか、
その頃から続いている企業もまだ数軒あるとか、
戦後は都市部から農村である碧南になんでもいいから食べるものを分けて欲しいと多くの人が訪れ、着るものと引き換えに野菜をもっていったけど駅で警察に闇取引だと取り上げられたとか、
海の中にトンネルなんてできるわけない!と海底トンネルの計画を打ち立てた議員がホラ吹き扱いされたとか、
当時超高級品であったバナナは一切れをさらに刻んで兄弟と分け、余った皮がもったいないと皮まで食べたとか、
暖房は小さな練炭だけで、家庭にはラジオひとつしかないのでラジオを流せばみんなおしくらまんじゅうのようにその周りに集まり手だけを温めながらラジオに耳を傾けたとか、
東京まで電話をかけると交換手を経由して電話がつながるのに2、3時間待っていたとか、
電話を持っているのは大きな会社だけなので、緊急の場合はそこに電話をかけてもらって事務員さんが地域の各自の家まで走って電話をつないでくれたとか、
他にも色々と驚くような話が聞けた。
こういう昔を知っている人はもうご高齢であり、貴重な話を今聞いておかないと二度と聞けなくなる。
できる限り、もっともっといろんな人に昔の話を聞いてみたい。
噂に聞いたあの時代を、教科書で見たあの時代を、実際にその目で見てその足で歩き、生きてきた人に当時の事を聞いてみたい。
レトロ回帰ブームで、昔は良かった、昔に戻るべきだ、あの頃の日本は幸せだったという風潮があるので、質問してみた。
あの頃と今、どちらが幸せですか?
「もちろん今ですよ。今の世の中は天国です。食べるものもあって、なにもかも便利で、絶対に今のが幸せです。」
僕らはいつも無いものねだりなんだなと思った。