取材を受ける時、趣味を聞かれる事が多い。
本当は「仕事です。」と即答したいけど(事実だし)この若さでそれはちょっと可愛げない気もする。
何か新しい事を始めようという時、勢いでスタートしてその後ぐぐぐーーーっと勉強する。
ひとまずの基本構造を理解しようとする。
もうその頃にはそれを農業経営と融合させるとこうなってああなって、と仕事の一部になってる。
趣味になるかなと思って何か始めても結局全部ビジネスの種として吸収されていく。
そこからもっと深く深くのめり込むことができる事があればそれが趣味になっていくと思うのだけれどなかなかそういうものは見つからない。
仕事の事を考えているときが何より楽しいからだと思う。
自分の考えたアイデアで誰かが喜んでくれて、自分が創ったものを必要としてくれる人がいる。
それより楽しい事があまり無い。
この先、もし自分がいわゆるお金持ちになって時間の余裕も出来たとしても、仕事の事を考えてる時が一番幸せで、なおかつ気楽なんだと思う。
ちょっと美味しい珈琲を飲みながら、農園のシステムづくりを考える。
ちょっと美味しいワインを飲みながら未来の事業ビジョンを描く。
もう、それが何より幸せ。
そしてその夢物語を近くで聞いてくれる仲間がいる事が幸せ。
くたばる寸前まで農作業して、そこらの小僧なら半日で弱音吐いて逃げ出すほどクタクタになっても、飯は美味いし酒も美味い。
風呂に入れば気持ちがいいし、ぐっすり眠って次の朝はまたウキウキしてる。
今日もまた畑が喜ぶくらい農業やってやるぞと腕まくりをする。
どんな人と会っても必ず勉強になることがあるし、聴いた言葉を咀嚼しては自分のコトに置き換えて胸にすっと落とす。
新幹線の窓から一瞬だけ切り取った他県の農村の景色に様々な可能性を馳せる時も楽しい。
楽しいも苦労も外にはない。
美味しいも不味いも外にはない。
明るいも暗いも外にはない。
金持ちも貧乏も外にはない。
幸せも不幸も外にはない。
音も、色も、なにもかも、
俺の中にしかない。
それを知ってるから、俺は最高に幸せ者でいられます。