滑車の原理を利用して、小さな力で大きなものを持ち上げられるようにした機械。城郭の石を積み上げるのに用いられたようだ。正祖から下賜された『奇機図説』を参照して作られた11台の拳重機は、王室で作られ、華城に運ばれて使用されたという。
■ 代表作『牧民心書』『経世遺表』『欽欽新書』。
「牧民」とは地方官のことで、地方官わはじめとする役人の心得や振る舞いについたマニュアル本。朝鮮後期には、役人のふはいが一段と進んでいた。そこで、役人の横暴わ批判し、地方行政のあるべき姿を説いた。丁若鏞の膨大な著作の中で最もよく知られている本で、教科書でも紹介されている他、同名小説が原作のドラマ「牧民心書~実学者チョン・ヤギョンの生涯」 (原題は「小説 牧民心書」) のタイトルにもなっている。『経世遺表』では中央行政機構の改変や田制・税制改革について、『欽欽新書』では刑政について自身の見解を示している。