森林から創出されるJ-クレジットとは何か? - 地域脱炭素への貢献 | 七転び八起きの爺さん

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森林から創出されるJ-クレジットとは何か? - 地域脱炭素への貢献

 

近年、気候変動対策やカーボンニュートラルの実現が世界的に重要な課題となっています。日本においても、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」目標が掲げられており、政府や企業が積極的にその実現に向けて取り組んでいます。その中で注目を集めているのが、J-クレジットという制度です。今回は、森林を活用したJ-クレジットの創出について、具体的な事例やその意義を詳しく説明します。

 

1、J-クレジット制度とは?

まず、J-クレジット制度について解説します。これは、温室効果ガスの排出削減や吸収量を日本政府が「J-クレジット」として認証する制度です。企業や団体が省エネルギー技術の導入や再生可能エネルギーの活用、そして森林管理などの活動を通じて、温室効果ガスの排出削減や吸収を実現した場合、その量をクレジットとして発行することができます。

発行されたJ-クレジットは、市場で取引され、他の企業が自社の温室効果ガス排出削減目標の達成に利用することができます。例えば、工場や事業所でどうしても排出を避けられないCO2の分を、J-クレジットを購入することで相殺(オフセット)することができるのです。これにより、各企業がカーボンニュートラルを目指す道が広がり、日本全体の脱炭素化に大きく寄与します。

 

2、森林からのJ-クレジット創出の重要性

J-クレジットは、排出削減だけでなく、森林の適切な管理によるCO2吸収量の増加にも基づいて創出されます。森林は、光合成を通じてCO2を吸収し酸素を放出する自然の「炭素吸収源」であり、適切に管理されることでその吸収能力をさらに高めることができます。しかし、管理が行き届いていない森林では、木々が過密になり、十分な光が届かず、森林の成長が阻害されるため、CO2吸収量が減少してしまいます。

岩手県滝沢市に本社を置く有限会社二和木材が行う「持続可能な森づくりプロジェクト」は、この森林管理の重要性を象徴するプロジェクトです。この取り組みでは、間伐などを継続的に実施し、森に光を届け、森林が健全に成長できる環境を整えています。これにより、森林のCO2吸収量が増加し、その増加分がJ-クレジットとして認証されるのです。

 

3、J-クレジット創出のプロセス

では、森林管理によるJ-クレジットがどのように創出されるのか、そのプロセスを見てみましょう。

森林の管理と改善

二和木材では、森林の間伐をはじめとした管理を行うことで、森林が健全に成長できる環境を整えています。これにより、CO2の吸収能力が向上し、持続可能な形で二酸化炭素を吸収できるようになります。

CO2吸収量の計測と認証

森林管理によって増加したCO2吸収量は、J-クレジットとして認証されるために、適切な計測が必要です。二和木材が管理する森林でのCO2吸収量は、プロジェクト期間中に累計で約20,873t-CO2と見込まれています。

J-クレジットの発行と取引

吸収量が認証された後、それがJ-クレジットとして発行されます。発行されたクレジットは、他の企業に売却されることで、森林管理を続けるための資金源となります。これにより、二和木材はさらなる森林保全活動を継続できるようになります。

 

4、バイウィルの役割と支援

J-クレジット創出のプロセスは、専門的な手続きや高額なコストが伴うため、森林所有者が単独で進めるのは難しいことが多いです。ここで、株式会社バイウィルのようなJ-クレジット創出の代行業者が重要な役割を果たします。バイウィルは、J-クレジットの申請手続きや取引の代行を行い、森林所有者の負担を軽減します。これにより、森林管理に専念できる体制が整い、結果としてJ-クレジットの創出と流通が促進されます。

バイウィルは、日本全国で金融機関や自治体との提携を進めており、地域ごとの特性に合わせたJ-クレジットの創出を支援しています。地域の産業や環境を考慮したクレジットの創出を進めることで、カーボンニュートラルの「地産地消」も目指しています。

 

5、森林クレジットの意義と未来

森林からのJ-クレジット創出は、単にCO2削減のための手段に留まらず、持続可能な森林管理を進めるための財源確保の重要なツールです。日本の国土の約3分の2は森林で覆われており、その多くが手入れ不足や放置状態にあります。森林管理にかかるコストを賄うための資金が不足していることから、J-クレジットによる資金調達は、森林の長期的な保全にも大きく寄与するものです。

また、企業がJ-クレジットを購入することで、実質的なカーボンニュートラルの達成が可能となります。これにより、日本全体の脱炭素化に向けた取り組みが加速し、持続可能な社会の実現に近づくことができます。

 

結論

J-クレジットの創出は、カーボンニュートラル達成に向けた重要な一歩であり、特に森林を活用した取り組みは、環境保全と地域経済の活性化の両面で意義を持っています。バイウィルのような企業がそのプロセスをサポートし、地域の森林管理を支援することで、脱炭素社会の実現が現実のものとなるでしょう。

 

岩手県・二和木材が森林からJ-クレジットを創り出す。<二和木材「持続可能な森づくり」プロジェクト>が登録完了https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000174.000013100.html @PRTIMES_JPより

 

森林から創出されるJ-クレジットとは何か? - 地域脱炭素への貢献|pvlabo2020 @solarpower2035 #note

 

https://note.com/pvlabo_2020/n/ncc56aee565e2?sub_rt=share_pb

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