北海道における系統用蓄電池の普及状況と課題
1. 概要
北海道では、再生可能エネルギーの大量かつ安定的な利用、電力需給調整による収益化を目指し、系統用蓄電池の参入が相次いでいる。しかし、送電網の空き容量不足や設置までの時間・費用がかかるなどの課題も顕在化している。
2. 参入の背景
- 再生可能エネルギーの導入拡大:北海道は豊富な再生可能エネルギー資源を有しており、その導入拡大が進む。
- 電力市場の広がり:需給調整市場、容量市場、卸電力市場といった新たな市場が創設され、収益化の機会が増加。
- 長期脱炭素電源オークション:落札すれば20年間の固定収入を得られるため、事業採算性が向上。
3. 期待される効果
- 再生可能エネルギーの出力制御の抑制:蓄電池に余剰電力を貯め、需要に応じて放電することで、出力制御を減らす。
- 電力需給の安定化:系統用蓄電池の充放電を制御することで、電力需給のバランスを維持する。
- 電力市場での収益化:需給調整市場、容量市場、卸電力市場で収益を得る。
4. 課題
- 送電網の空き容量不足
系統用蓄電池を接続するためには送電網の空き容量が必要となるが、不足しているケースが多い。 - 設置までの時間・費用
送電網への接続工事や設備設置に時間がかかり、費用も高額になる。 - 技術課題
大容量の蓄電池システムの開発・運用、AIによる最適な充放電制御技術の確立など。
5. 今後の展望
- 送電網の増強
送電網の増強に向けた投資が必要となるが、コストと工期が課題となる。 - 充電制御装置の活用
充電制御装置を設置することで、送電網の空き容量を有効活用できる。 - 再生可能エネルギー発電に併設された蓄電池の活用
FITからFIPに移行した再生可能エネルギー発電に併設された蓄電池も、系統用蓄電池として活用できる可能性がある。
6. 再生可能エネルギー拡大への貢献
系統用蓄電池の普及は、再生可能エネルギーの大量かつ安定的な利用を可能にし、北海道における脱炭素化に大きく貢献することが期待される。課題解決に向けた取り組みが進むことで、更なる普及が加速していくとみられる。
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【日経より】系統用蓄電池、北海道で参入相次ぐ 接続は数年待ちもhttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC283BF0Y4A520C2000000/