燃料高騰と顧客流出の波
小売り自由化の夢は消えたのか? 苦境に立たされる新電力
電力自由化以降、電力市場に活気を与えてきた新電力。しかし、燃料高騰という逆風に直面し、顧客流出と経営悪化に苦しんでいる。
顧客は安定回帰、経営は悪化の一途
2023年、新電力から大手電力への顧客流出が初めて大手から新電力への流出を上回った。燃料高による価格競争力の喪失が主な原因だ。さらに、燃料調達コスト上昇による赤字拡大が続き、2024年3月時点で119社が撤退・倒産・廃業している。
生き残るための鍵は、差別化と顧客満足度向上
単なる価格競争では生き残れない。新電力は、以下の点に注力することで顧客満足度を高め、差別化を図っていく必要がある。
- 独自のサービス提供の提供。リアルタイム電力価格反映プラン、EV充電システム連動プランなど、付加価値の高いサービスを提供することで、顧客ニーズに合わせた電力供給を実現する。
- 安定調達と価格戦略。再生可能エネルギー電源の確保や、長期契約による燃料調達コストの抑制など、安定した電力調達と価格戦略を構築することで、顧客に安心感を与える。
- 顧客とのエンゲージメント強化。顧客ニーズに合わせたプラン提案、電力使用量削減支援など、顧客とのコミュニケーションを密にし、信頼関係を築く。
- デジタル技術の活用。スマートメーターやAIによるデータ分析などを活用し、顧客に最適な電力プランを提案することで、利便性を向上させる。
業界再編と寡占化、生き残り競争へ
淘汰が進む一方、東京ガスやソフトバンクなどの大手企業が優位に立つ寡占化が進む可能性が高い。
政府支援が必要、育成と改革
新電力育成に向けた政府支援も必要不可欠。燃料価格抑制策や、再エネ電源の調達支援など、業界全体の活性化に向けた取り組みが求められる。
新電力にとっての課題
- 燃料価格変動リスクへの対応
- 差別化できるサービス開発
- 資金調達
- 人材確保
新電力各社の取り組み:創意工夫で生き残りへ
- アストマックス、顧客選択型市場連動・固定料金プラン
- Looop、翌日の電気代予想配信サービス
- TGオクトパスエナジー、固定料金再生可能エネルギー由来電力プラン
燃料高騰という厳しい状況下、新電力は生き残りをかけて新たな価値創造と事業モデルの確立に迫られている。政府による支援と、各社の創意工夫が業界の再編と発展を左右する鍵となるだろう。
新電力、燃料高騰で顧客流出と経営悪化に苦境!生き残りには差別化と顧客満足度向上が鍵!
燃料高騰による価格競争力喪失で経営悪化が続く新電力。生き残るには、顧客ニーズに合わせた独自のサービス提供、安定調達と価格戦略、顧客とのエンゲージメント強化、デジタル技術活用などが求められる。
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【日経】家庭も #新電力離れ、23年は初の流出超 料金競争に息切れ https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC194J70Z10C24A4000000/