★星はスバル・2★ | 櫻塚森*徒然草・4(その他の王子2)

櫻塚森*徒然草・4(その他の王子2)

ココは、櫻塚森が書いたお話をUPしています。恋愛小説ですが、らぶらぶな表現が苦手な方、恋愛は、プラトニックに限るという方、お子ちゃまは、回れ右してください。カテゴリーからお進みください。

 高校生になる前に学校が違うことが発覚し、それほど好きになれなかったことから、俺は、彼女と別れた。
一方、中学から付き合いだした斎駕と雪乃は、こっちがあきれるほどラブラブで(本人達は自覚なし)当てられてばかりだ。
3年に、姉さんや龍綺兄が居ることは、心強い反面、2人の仲を見せ付けられているように感じて切なかった。

俺は日頃の行いが良いせいで斎駕と一緒のクラスになった。
彼女である雪乃はクラスが違ったみたいで、斎駕は少し残念そうだけど、ま、いいじゃん。
で、何故だか知らないけど、俺はクラス委員とやらになった。
姉さんが生徒会副会長とかしてるせいらしい。
「星野?あんたが相棒?」
クラス委員として前に出された俺の真横でイヤそうな顔をしている女が居た。
彼女は、水内晶。
合気道の道場で共に学んでいた幼馴染だ。
俺より少し背が低いくらいの、ショートカットの、男みたいな女だ。
サバサバしてて、男友達も女友達も多い“いいヤツ”だけど、なんとなく俺はコイツに嫌われてると思ってる。
俺を見る目が怖いっつーか、いつも言葉に棘がある。
いつからと言われたら困るけど、小学生を上がる頃には、冷たい視線を感じていたと思う。
中学が違ってしまったから、それ以来の再会だっていうのに、コイツの視線は相変わらず冷たい。
俺、お前に何かしたか?
晶が教壇に並んで立った時、女子の方から、「晶く~ん!」と黄色い声が飛んだ。
えっ?こいつ男だったっけ?
同じ道場に通っている斎駕が、晶が中学で女子バスケ部の県大会代表になるほどの選手で、女生徒から絶大な人気を得ていたということを知った。
お…そう言えば、胸ないし、背ぇ高いし…。
晶は俺を睨みつけていた。
「あんたの紹介の番だよ。」
「へっ?あぁ…。どうも、星野昴いいます。漫画みたいな名前やけど、本名です。ココの3年の姉貴は暁言うて、生徒会で副会長してます。うちの姉貴は美人なんで、知っとるのもおると思うけど、俺に逆らうと姉貴一同生徒会が五月蝿いので、従ってください。」
俺は自己紹介をして笑いをとった。
その横ですました顔をしている晶。
おいおい、なんでんな可愛げのない顔してんだよ。
道場に来なくなった晶は、非情に最悪な印象を俺に与えた。
めっちゃ、笑う気のいいヤツだったのに…。

この女!と思ったことは沢山あった。
何かに付け邪魔をする。
俺の仕事を片っ端から取っていき、さも「してあげたわよ。」とかいう目で見やがる。
一年生ながらバスケ部のレギュラー確実とされているヤツが何故、ムキになって俺の仕事を取るんだ。
俺といえば、斎駕と一緒に入学と同時に生徒会執行部の仕事を手伝わされるはめになった。
手伝うと言っても雑用で、頼みに来るのが姉さんだから、断れず。
斎駕の方は紅蓮さんが有無を言わさぬ眼光でこまごまとした雑用を言ってくるのだ。
正直言って、姉さんの手伝いが出来ると思えば俺はどうってことないんだけど。
斎駕が雪乃とのデート時間を減らされるとなると不機嫌なのもちょっとは理解できるってもんだ。
俺は今日も、姉さんに頼まれて、生徒会が出したゴミを捨てに行った。
帰ろうとして、教室に忘れ物をしていたことを思い出し、体育館の前を通ると、数人の女子が黄色い声援を送っているのが見えた。
「晶~!がんばって~!!」
どうみても、上級生のお姉さん達だ。晶って…水内?
俺は、興味を惹かれて小窓から覗いてみた。
そして、一瞬時間を忘れた。
水内のシュートフォームの美しさにギュッと心を鷲掴みされたんだ。
キラキラと何故かアイツの周りが輝いて見えたり、男々していると思っていたアイツが妙に色っぽく見えて目を強く擦った。
それからと言うもの俺は、自分の気が狂ってしまったんじゃないかと思うくらい、水内をまともに見られなくなっていた。

「最近、百面相だよね、昴。」
リビングで新聞を読んでいた姉さんに言われた。
「えっ?」
くすくすと笑う姉さんはやっぱり可愛くて、綺麗で、俺のタイプは姉さんのはずとか思いなおしてみたりしていた。
「何だか仲のよい女の子がいるんだってね?」
な、何をいきなり言い出すだ?
「斎駕くんが言ってたわよ?何かにつけ言い争いしてるけど、実はって子がいるって。」
さ、斎駕!よりによって、姉さんに何言うんだよ!!
「あら、昴、真っ赤。」
「なっ!違っ!違うからな!!」
「はい、はい。私、隣ん家行って来るね。」
クスクスと笑われたまま姉さんは龍綺兄の家に行ってしまった。
くそっ、斎駕のヤツ!
早速文句の電話を掛ける。
[何、ホンマのこと言われて怒ってんの?]
「な、何言うてんねん!」
[見てれば分かるって…。昴がなんか楽しそうに、愛しそうに水内を見てるから。]
楽しそう?俺が?愛しそう?

斎駕の言葉にドキドキしてしまった。

その時から俺の気持ちはドンドン彼女に傾いていった。


つづく