『最後、バタバタしちゃってごめんな。
でも逢えてよかったよ。
またね!』
『またね!』
そう言うと、繋いでいた手が
どんどん離れていく。
そして、人ごみに消えていく先生が
何度も振り返りながら
走っていく。
その姿が見えなくなって
大きなため息が出た。
『行っちゃった…』
あまりに呆気ない、別れ。
なんだったんだろう。
ほんと、嵐みたいな人だ。
『またね、かぁ』
もっとちゃんと、
バイバイってしたかったな。
もっと、なんか、
ちゃんとさ…。
そう思った時に
メールが来た。
『りぬに逢えてよかったよ。
ありがとう。
うるつやりんしなさい♪』
大事にするね、ありがとう。
思わず、先生からもらった
プレゼントを見た。
あぁ、一緒にいたのは
間違いじゃないんだな、と思いながら。
これが、あたし達の二年半ぶりの再会。