2年前から母の抵抗を受け、なかなか進まなかった洗面所と浴室、階段のリフォームがようやく終わり、実家リフォーム第2シーズンが幕を閉じた。
(因みに第1ーズンは10年ほど前の屋外周り一式と給湯器、システムキッチンであった)
第2シーズンの今回、母の抵抗は、なぜかしぶとく、兄とワタクシの疲れもどっと長引いた。
今のお風呂、なんの問題もないのに、なぜ変えるのか、から始まり、洗面所や階段の手すりも付ける、と言えば、そこも何の問題もない、となる。
アタシは手すりなしでも登れるし、下れる、そんなものがあるとかえって邪魔かもしれない、ときっぱり言う。
10年前には浴槽と給湯器を変え、浴室暖房もつけたものの、やはり高齢者仕様には程遠い。
おかーさん、90を迎えたあなたのために変えるのよ。
浴槽はポカポカ魔法瓶、形も浅型ウェーブのベンチタイプ、楽に跨げるし、近くに手すりもあるから更に楽々よ。
しかも、壁面全面パネルのホテル気分、さっとひと拭きでお掃除も簡単。
ホッコリ床だから、冷え性の足でも、ひと足入れば冬でもほんわか。
浴室暖房は、天井に埋め込まれてスッキリしてるし、24時間乾燥でカビ知らず。
洗面所も一式リフォームで明るくなって使いやすくなるしね。
今時のお風呂や洗面所はすごいね、いいね、と、毎週実家に帰るたびに、呪文のように言い続けていたのであった。
その甲斐もあったのかわからないが、何とかふたつのメーカーのショールーム見学に母を連れこみ、快適リアルを体験させ、ようやく前向き姿勢となってくれた。
が、いざ、工事に入る寸前になって、色んな業者さんが何度も出入りするので落ち着かない、やっぱりお風呂はそのままでいい、工事はキャンセルして、と言い始めた。
まさかの、駄々っ子丸出しの母。
これも重ねた歳のなせる技なのか、とは思いつつ、肩だけでなく膝まで落ちた。
兄が何とかを説得したらしく、ようやくのリフォーム完了で、同居はしていないワタクシも感無量、となった。
工事期間は予定通り約1週間と間をあけ、1日たして終了。
お風呂場の出窓も二重窓の断熱なんたら工事したせいもあるのだが、7月から各メーカーが値上げするとかで、駆け込み需要が増えているらしい。
さて、心配していた他人がいる数日の母の様子なのだが、あんなダダをこねたことはすっかり忘れ、普通に過ごしていたと兄から聞き、そんなものだよね、と高齢者対策をひとつ学んだ。
他人に対しては、なぜか借りてきた猫のようにまっとうになる母なので、進む認知と何か関係があるのだろうか、とも思う。
リフォーム後の初日、お風呂に入ったという母に電話をしてみる。
お風呂の入り心地はどう? 随分変わったでしょう? と訊けば、
「うーん、やっぱりあの位置の手すりは邪魔だわ」
と言い放ち、踵落としまで味わったようなワタクシなのであった。