バスン、でもなくドスンでもない。

2回も経験しているのだが、語彙が足りず言葉で表現できないのがもどかしい。

何ともいえないあの音。

一瞬だけ心拍数大となり、次には悲劇のヒロインのまばたき数回。

これはまごうことなく、やらかした音、と認知するのは秒単位なのだが、その後の行動、これが空白のヒロイン状態。

 

ここからユリシーズ的意識の流れの渦巻実況中継を。

 

まずは、助手席の母に被害はないかと確認した後、今、音したよね、と言ってみると、うんなんかしたねぇ、とのんびりモードの母は無視して、えーっと、今から車両は動かしてはいけない、のだよな? とひと呼吸。

だけど、どこから何がやってきたのだ? 

我が家の車のように、エマージェンシーもアラウンドビューも衝突防止ナントカもこの車には付いてないけど、運転しやすく小回りのきくサイズの車だから別に不便とも思っていなかったけれど、下手くそさんにはやはりそーゆーツール搭載車がお似合いだったのね、と今更思っても仕方ないから、一応降りて、相手の確認をしないとまずいよね、それでもって警察呼んで事故証明もらって、保険やにも連絡して、その前に、これは実家の車だから、あっ、まずは兄に連絡せねば、とスマホを取り出して

またぶつけたみたい、また、スーパーの駐車場で、またリヤバンパーあたりで、なんかバスンって突然音がしたけど、周りに車はいなかったからカートか何かにぶつかったのかと思ったら、おにーさんが横に車つけてきてこちらを見てるからこの車ともしやぶつかったのかな。

 

あのねー、そんなことはどうでもいいので、とやけに冷静な兄から受けた指示は、警察の事故証明と相手の人の住所氏名、車種、できたらぶつかった場所をスマホで撮影させてもらって、のみで、ケガがないならそれでいいとのお言葉と、保険やさんにはすぐに連絡するから、で報告終了。

 

電話をしている最中、なんかやんちゃそうなふっくらりんこの30代後半のおにーさんが、ふわふわの黒のシャツ姿で、こっち向いてて、車もNボックスのブラックで、車から降りてきたら、おにーさんのラフなパンツもブラック。

ブラックすぎて、怖いけど、一応外に出てこちらの車の具合をみてみたら、リヤバンパーの丁度カドっこが、あらら割と凹んでる、けど、走れそうかな、あれ?  でも、バックライトのカバーもヒビがはいってる? ってどーあたってくれたのよ、と、次におに―さんの車のリヤを見てみると、ほんの少しのボコですんでるじゃない、ってことは、はホンダに負けたのか、残念、とか思ってる場合ではなく、警察呼びましたかと訊いてみればまだです、とか言いつつ、呼びますか、というのでモチロン呼んでください、と。

で、警察の交通コンビがくるまでが長くて、30分位だったらしいけど1時間位待ってたような感じで、来てからもあれ出して、これ見せてにはじまり、車の動きを1㎝単位でみっちり丹念に訊かれ、何となく、えん罪で尋問されている人の気持ちがわかるような真夏日の炎天下、思考回路も迷走しそうなのだけど、30代の警察官のぼっちゃんが、私のことを5回位「おかーさんのほうは」と連呼していたので、6回目の時は「アタシはおかーさんじゃないです」ときっぱり言ってすっきりしたのでした。

 

以上、現場からたどった記憶の報告、でした。

 

しかし、またリアバンパー同士。

経験してからすでに1週間が過ぎたのだが、耳の奥にあの音がくっついたまま離れない。

ドバスン?

うーん、一瞬の音なのにやたら重奏音。

コントラバスの低音にチェロの大きさGを足したような衝撃音とでもいったらいいのか。

そんな音の解明より、今後の車の乗り方を研究すべきなワタクシなのだけど。