韓ドラを見始めて10年余り、300作近く見ているせいか、感情の起伏が激しくなるとなぜか韓国弁になっているワタクシ。

もしかして、ワタクシにも渡来人の血が流れているのではないかと、ドラマの合間にふらっとする。

 

時に感情むき出しの韓ドラは、お話的にもキャラ的にも、見ていて、これぞまさにドラマだよね、の世界。

わかりやすく、はまりやすい。

オトナ女子の言い争いに髪の毛の引っ張り合いはお決まりコースで、立派な紳士も怒りに任せ四肢を駆使してモノを壊しまくる、で沸点の高さが半端ない。

とはいえ、ジャポンにこれほど流入している韓ドラ。

そんなドラマもあるし、なぜか涙腺ゆるゆるになる秀逸ドラマも数多あり、ドラマ作りの根底がすでにジャポンドラマとは一線を画している。

 

だが、しかし、なのである。

これだけ韓ドラを観ているにもかかわらず、何度見ても違和感のあるシーンの数々に出くわす。

そう、ドラマの世界、だよね、なのだけど。

外国なのに、外国ではない、そんな気持ちがうっすらとあるせいなのか。

靴を履いたままベッドに横たわる西洋の人の生活習慣はすんなりと受け入れられるのに、なぜか韓国の人になると「えっ」それってなんか似合わないよね、 となる。

やはり、同じ東洋人の枠くくりの壁を乗り越えられない、隣の人と同じ顔気分なのである。

 

これだけ見ていれば、あたなも韓国の人気分でしょう、と思えそうなのだが、やはり何度見ても新鮮におののく。

 

代表選手は、インスタントラーメンを食べる、そのシーン。

なぜか作った鍋の蓋がお椀がわりになっているのである。

ラーメンも必ずインスタントの袋めん。

美女もイケメンも老若男女問わず、庶民も財閥もおかまいなし、このフタの上にメンをよそって食べる、という習慣は一体いつから始まったのか。

 

お行儀の国、日本のおかーさんが見たら、しつけができてない、と言下に言われそうなのである。

が、もしかして、フタから食べると格別な麺の味となるのだろうか、と思えるほどおいしそうに食べている。

そして、ひとメンごとのひと箸キムチ、も欠かさない。

ここ数年、キムチが苦手になっているワタクシ、見ているだけで口の中が濃厚ホットモットになってしまう。

どのメニューにも出てくるこのキムチ、これも日本の漬物のようなものだろうが、漬物を焼肉の上にまでのせて食べないよな、なのである。

 

そして、韓国といえば、その焼肉。

焼肉モリモリも家庭の室内でおかまいなくする。

密閉されている室内の換気はどうなっているのかと、焼肉の匂いまで画面越しに漂ってきそうな焼肉風景に、目がスルー、なのである。

 

そんなモリモリギッシュかと思えば、朝からアワビがゆや小豆がゆ、えびがゆ、お腹に優しいお粥の世界が幅広く、濃い。

日本でお粥といえば、あっさりタイプの白粥が主で、バリエーションとしたら梅か鮭、くらいだろううか。

しかも、病人食のようなイメージさえある。

韓国のお粥は、この粥の上に色んなものをトッピングしてしっかりとした独立独歩の一品となっている。

 

有名なビビンバもボウルの中で混ぜ混ぜし、そのままボウルから食べるダイレクト方式。

そして、事あるごとにひと匙のモリモリ。

よくある朝食風景では、少し大きめのスプーンにご飯をすくい、その上に魚のほぐしみやキムチ、チヂミのような卵焼き、その他をのせまくって「いただきます」。

日本の納豆、焼き魚、漬物を一度にスプーンにのせた感じ?

想像しただけで、混沌とした味わいになりそうなのである。

 

衣食住、すべてに混ぜ混ぜ感がたっぷりの韓国。

知れば知るほど? なのだけど、なかなか飽きがこないお隣さんなのである。