ピカピカの1年生を見かけて気づく4月8日なのである。

もうピカピカの~なんて言葉は、きっと使わないであろう両親に挟まれている黄色い帽子にやや違和感を覚えつつ、すれ違う。

この黄色いメトロ型帽子と重そうなランドセル、時代の逆行の象徴のごとく長続きしているけど、なんかおかしい気もする。

 

そんなおかしい季節感あふれる4月、我が家の冷蔵庫も入学式を迎えることになった。

まさか、また冷蔵庫を買う日がくるとは。

首都直下地震の確立より低いと思っていた。

調べると買って10年以上経過していたのだが、冷蔵庫では絶対ですよ、とすすめられたメーカー○○なので、ワタクシ達の寿命より長く生きてくれると思っていた。

何しろ、結婚当時購入した三流メーカーの冷蔵庫はなんと、20年苦節を共にしてくれた。

 

なんか怪しいと気づいたきっかけは、ドアポケットにいつもある豆乳くん。

開封して1週間もたたないうちにとろける杏仁のようになる、という状態が数回続き、これはもしや冷えていないのではないか、と。

温度測定してみると、最上段は9℃あたりを右往左往している。

冷蔵室、冷温室になっていたのかもしれない。

 

反対に冷凍室はドライアイスが入ってるかのごとく冷気が噴き出し、キンキンによく冷えている。

いつも食べるチョコバッキーがちょっと硬いなぁ、とは思っていた。

自動霜取りセンサーが異常事態なのだうろか、などとあれやこれやと考えているのも面倒になり、翌日、大型量販店を覗きに行き、その翌日行ったお店で新入りさんの購入を決めた。

快挙、である。

人生いつも迷い橋に佇んだままのワタクシにとってかなりの快挙である。

やればできるじゃん。

しかし、10年ぶりの冷蔵庫、仕様も価格もかなり変化していて、色々変な機能がぶら下がっていて、こんなことになっていたのかーっ!! 冷蔵庫よ、と一晩唸っていたのは事実である。

 

死守したいのは、野菜室が真ん中で野菜室の容量が大きい、ドアポケットが使いやすい、ただそれだけ。

だけど、そのそれだけが中々ない。

気に入ったメーカーのものはやたら冷凍室が大きく、結局全体容量が二人暮らしには不釣り合いでしょ、となる。

しかし、冷凍室、他のメーカーも大容量を自慢している。

うーん、やはり冷凍時代に突入していたのか。

料理雑誌でも冷凍保存特集はよく見かけるし、そもそも卵子も凍結する時代なのだから、こんなことになっていても致し方ないのかの、悩みどころなのである。

 

しかし、選択肢はそうなると少ないのでかえって決断はつきやすい。

というわけで、わずか2日の決断で新入生は決定されたのだが、決めた後、なぜか今の冷蔵庫の調子が良くなっている。

あるある、なのである。

手入れもよくして、表面は傷ひとつない箱入り娘だったのに、遅れた卒業式を迎えさせることになってしまって、母はちょっと涙したくなる、そんな4月。

が、その涙も乾かぬうちに、実家で進展している浴室と洗面所の大々的リフォームでショールームに行けば、そこでも、こんなことになっていたのか、が連発銃となってのけぞりそうな4月なのである。