去年の今頃もこんな駄文を書いて悶々としていたな、と再びの2月に震えている。
そう、今年もあの「キョーフの兄のスキーシーズン」到来!! なのである。
やはり行くのか、今年も、とカクンとうなだれてしまった体調不良のワタクシ。
そんな不良なカラダとココロで、ここ数カ月の母の行動パターンを思い起こす。
起こしては起き上がる。
起き上がっては、様々な妄想が湧き上がり、悶々不良に拍車がかかる。
2階寝室、夜中のトイレは1階。
築28年の実家、今年の秋はお風呂と洗面所、階段などをリフォームし、今流行りの高齢者仕様にしようとした兄なのだが、母の星一徹のごとき抵抗にあって、見積もり保留のまま、冬を迎えてしまった。
築28年ともなると、水廻りやトイレ、外壁も屋根も何回かリフォームをしている。その記憶だけは今も鮮明なのか、母の脳内ではもう悪い所は直したんでしょ、となっている。
ですが、おかーさん、そもそもが、手すりです。
90歳が階段の昇り降りをしていて、なぜつけていないの、と世間の批判を浴びるであろうあの手すり、なんですよ、おかーさん。
手すり、母にとっては無用の長物らしい。
年寄りみたいで嫌だし、モノを運ぶとき邪魔になるじゃない、などなど色々抵抗ワードを掲げてくれる。
無駄な知識を駆使して組み合わせてくるところは、さすがの90歳、と兄と感心し、妙に納得してしまう。
しかも、最近怪しい行動パターンを繰り返す母。
とりあえず、この冬、しかも大雪予想も含まれた3日間、ひとりではまずいであろう、とまた今年も不良娘は老骨にムチ打つことにした。
大雪警報発令中の初日、何とか電車に乗り、雪中匍匐前進の如くで、実家にたどり着く。
ドアを開けた途端、こんな日にこなくていい、ひとりだってだいじょーぶのへいの助なのに、とあきれられる。
へいの助、そのおまけつきのお言葉が身に沁みます、おかーさん。
昼過ぎに着いたのだが、昼はミニ土鍋で煮込みラーメンを作って食べたと言う。
最近、嗜好の変わった母、今のお気に入りはラーメンとウィンナー、ハムという発がん性トリオである。
なんと、りんごまでむいて、ラップまでしてある。
うーん、やればやれるのか、と少しほっとするのも束の間、何やら朝食を食べた気配がない。
しかも、今朝は、洗濯カゴに洗濯ものがあり、大好きな洗濯を忘れている。
雪だし、どちらにしても部屋干しなのでまーいいか、と洗濯機を回し始めると素早く反応してくる。
もうしたのに、またしてるの?
いやいや、今日あなたはしてないよ、とぐるぐる回っている洗濯物を見せると、ここはうすぼんやりした表情になり、そうだっけとなってくれた。
母とこうして丸々3日間過ごすことになるのだが、とにかく、午前中はこの寒風の中、じっとしていないので、一体何をしているのか、謎の母なのである。
そんな日の2日目、大雪翌日の行動、これにはまたまた目がテンになってしまった。
朝、銀世界はどんな状況かと、様子だけみようと外に出れば、近所の人たちが早速雪かきを始めている。
ま、まずい、出なければよかった、と思いつつも朝の挨拶をしまくる。
昨日から、我が家は雪かき頭の兄が不在なんです、と主張したい。
でもそんなこと言えないし。
しかも、我が家にはプロ並みの雪かきが4つもある。
物置の横にあり、かなり目立つ代物なのである。
これ、使うの、今でしょ、とローラー雪かきさんたちが皆さんの視野に入っているような気がする。
骨系痛み持ちだけど、少しはやらねばあかんよねぇ、と仕方なく家に戻り、登山用合羽と防水ブーツに身をかため、再び戸外に出た。
とりあえず、かるーい雪かきで玄関周りから骨骨に語りかけながら、そっとカキカキはじめてみる。
お、おもーい!!!
なんだ、これは。
カキカキじゃなくてカキーンだよ。
しかし、いつから雪はこんなに重くなったの、と早速左腕が痺れてきて、よろっとしていたら、家のドアが開いて、母、登場、なのである。
えーっ、なにその恰好。
かつて乗っていた自分のバイク用ピンクグレーのお気に入り合羽をまとい、雨靴、手袋で参上つかまりました、とばかりの母。
何するの、あなたは、とわかりきったことだけど、一応母に問いかけてみる。
雪かき、毎年やってるから、慣れてるのよ。
そーか、おかーさん、おかーさん、毎年雪かき、やってたのか。
そんで、10年前の大雪の時は、背中の圧迫骨折までするほどの雪かき名人だったんだよね。
おかーさん、本日も不良な娘を笑わせてくれてありがとう。
ワタクシはアタシになって、もう2日目で90歳まで生きたような気がしています。