くるぶしから踵まで
忘却の
おもかげにかたどられて
はめられた枠の
アタシたちが足踏みしているこの場所
まっさおな空にクロスしている飛行機雲から
なだらかに落ちてゆくもの
記憶はいつも真っ白で
真っ青な海に浮かんでいる
呼ばれているのか
呼んでいるのか
雨はあれからずっと降らない
閉じた傘のひとつはまだ戻らない
誰かの手に握られた
祈りの鍵のひとつは
約束の扉をひらくのだろうか
丁寧にめくられたページに
折り目をつける瞬間
時の音が響いてクロスは十字架に飛翔して
焼きつくされた真実は
誰かの手に握られたまま
描かれた放物線の最果に散り積もるのだとしても
アタシたち
この踏み出した
先っぽの
過去から無駄な未来の一秒まで
きっときっと
飛んでみせるから。