三角窓  四角く切り取る感情線 宇宙のりんかくみたいな指で

 

分かれ道 いちじかんごにきた秋を すくいとる世に深呼吸せよ


いち音いち語の空間に たたずみ続けた あとがきの夏  まえがきの君

 

塗り替えた むらさきのいきしめのいき 死線でなぞった色をかざして

 

ハナミズキ秋色に染まるその紅は つもりになってもつもらない嘘

 

できたら今日は記憶喪失の猫さがす ちゅーるの束を買い占めて

 

カフェインレスひと匙すくって眠ります ぐるぐる巻きの藻屑となって

 

右足と左足がありがちな恋に落ちている水たまりの空白文

 

見覚えのある顔うつる手鏡にアタシの黒子がありました