マイナポイントの申請お願いできる? とまったり出勤した途端、社長夫人からとそっと耳打ちされた。
7年前、マイナカード制ができた当時、会社を経営しているのだから作っておくと色々便利ですよ、と勧めていた。
なのに、手続きが面倒そうだからと全く行く気無し、けんもほろろのご夫婦であった。
何故、今更? と思ったのだが、どうやらポイント好きの奥さんの触覚がウサギのごとくピンピン跳ね上がったらしい。
娘から2月末で終わっちゃうよ、と追い打ちをかけられ、ポイントのために夫婦ふたり、市役所までご足労したらしい。
このマイナカード、我が家は二人とも2020年の申請ポイント付与の時期にすでに作り終えている。
なぜ、作ったのか、といえば、遠距離に存在する戸籍や住民票をコンビニで取りたい、ただそれだけなのであるが、この国に管理される社会の行く末に、小市民的に抵抗はあった。
当時、このカードを作成したり、医療費控除の確定申告をするため、申請に必要なカードリーダーも購入した、という話を会社でぽろっと話したのを覚えていたらしい。
仕方なく、バイト時間中にいいんでしょうか、と思いつつ、自宅に一度戻りカードリーダーを持参し、仕事でもない作業に取り掛かる。
2万ポイントの申請全てをしつつ、2万ポイントのうちの5000ポイントはプレミア商品券みたいなものですけど、と確認すると、えっ、そうなの? とびっくり顔となる。
5000ポイント全部ゲットするには2万円のチャージが必要なわけで、そのあたりも初耳のようだ。
しかも、年金受取口座の通帳を渡され、本当にこれでいいのですか? と念押しすると、これじゃなきゃだめなんでしょ、の理解度である。
いやいや、公金受取口座なんで、どうでもいい通帳でもいいんですよ、と説明したり、マイナポイント説明窓口のバイトさんのようになっていた。
ここも、公金を年金と思い込んでいたらしい。
おそらく、こんな高齢者は沢山いる、に違いない。
マイナ・けんもほろろ族がこの変身ぶりなので、どうやらこのポイントに、踊っている人々は結構多いのだろう。
政府のチカラの入れようも半端なく、連日新聞の反面広告で見かけるし、フリーダイヤルの問い合わせは平日土日もOKである。
コロナの発熱外来は有料電話だったのに、である。
チカラの入れようはまだ続くらしく、2月末だったポイントもさらに延長が決まったらしいと聞き、社長夫人も軽く脱力していた。
しかし、この予算額2兆円は一体どこから出ているのだろうか。
剰余金もこのコロナで底が見えてきているはずだし、税金の一部だとしたら申請しない人たちは、勝手に自分の税金を誰かの消費のために使われちゃってる、ということになる。
あまり興味のなかったマイナポイント制度だが、この先、この紐づけでアナログチックな総務省が自分の首まで絞めつけて、マイナスポイントにならないようお願いしたい。