のほほんのじーさんもあわあわのばーさんも持病持ちなので、月に何回かの受診に行く。
のほほんじーさんは40の初めにがん発覚、3年前に再発、転移となり、のほほーんとしていられないはずなのに、見た目には相変わらずのほほーんとしたふりをして暮らしている。
病は気からというけれど、この、のほほんじーさんの気のどこに病とつながりそうな気があったのか、と未だに不思議なのである。
多少の不調があっても「すぐ治るから」が口癖で、あわあわばーさんもこの人はそんなものかと思っていた。
あわあわばーさんはその反対で、多少の不調にも敏感で、多少が多少でなくなってゆき、結局お医者さんのお世話になるので、これはこれでその説に頷ける。
よくカラダは病気でもココロは病気にならないように、と言われるが、それがなかなか難しくて、日々眉間のシワが深くなっていく。
しかし、あわあわばーさんのココロはかなりダメージを受けているのに、なんというか、外はすごい秋晴れなのである。
近くの小学校から響く運動会の練習のざわめきと音楽が、散歩ゴコロをくすぐって、ちょっとくすぐったくなってきた眉間のシワなのである。