左手のあなたの海に沈み込む ひとりだとしてもふたりの波間

 

刈り取られた夏草の匂いみたいなあなたの髪 掬う時だけ旅人の目

 

ゆうかぜがとわのちかいをつれてきてあなたの初めを思い出す白

 

縦の糸 君のぶんだけ伸びすぎたオカリナで吹く「糸」青のラソファソ

 

むきかけの梨やさしくて むきだしの感情流すためにある静かな距離

 

わかりあう月日の余命 雨音にかき消されたままで あなたの背中