よく捕まる夫婦、なのである。
捕まるといえば、そう、おまわりさんに、である。
ヤンキーなワタクシの日常言葉でいうと、マッポ、にである。
ワタクシに関して言えば、チャリンコ泥の検問で、一日に2回、という横綱レベルの日もあった。
夫に関して言えば、車関係で、一度あることは…、から始まると年に三度は確率高く捕まるので、一度、があるたびに嫌な予感満載の日々が続く。
若かりし頃、おまわりさんと共に帰宅した夫に仰天したこともある。
夜11時過ぎ、ドアを開けて入ってきた夫の背後に立つ、おまわりさん。
本物なのか、と目を疑うまだ若いワタクシ。
なんかのサプライズ? とも思ったが正真正銘のおまわりさんであった。
「こんばんわ」と制帽を傾けて挨拶をしてくれたのはいいが、まさに連行された犯人みたいな夫の頬は微妙に笑顔。
なにを引き連れてきたのか、この笑顔で。
唖然とするワタクシに、これもまた不可解な笑いの表情を添えて説明を始めたおまわりさん。
銃刀法の検問でひっかかったらしく、自慢のビクトリアノックスのアウトドアナイフでアウトとなり、自宅確認のための連行、という説明であった。
だから、そんなものを持ち歩くべからず、と何度か提言したのだが、いつ野営してもよいようにと荷台には簡単なキャンプ道具まで入れて出勤していた。
そのおかげて、違反にはならなかったのだが、なぜか自宅まで同行。
余程、おまわりさんに好かれるタイプらしい。
あれから30年経ち、久々の銃刀法検問にひっかかって帰宅した夫。
遅い、と思っていたら「久々に止められたよ」、のドアを開いての開口一番、なのであった。
「最近はやっぱり、こんな時間にもパトロールしてるんだな」とこのご時世を満喫している。
その昔のおまわりさん連行以来、出勤時はカッターナイフもハサミも車内にはおかないようにしていたので、銃にも刀にも違反はなく、数分でさようなら、となるはずであったらしいが、バックのナンバー灯切れを指摘されたらしい。
多分、これがきっかけとなった検問かもしれないが、我が家の車、その3日前に車検を通ったばかりで、まさかの残念すぎるバック灯くんなのである。
しかし、この車の見えない類の球切れ。
以前から思っていたのだか、おまわりさんのチェックに触れるナンバー灯やブレーキ灯の警告灯が車内のディスプレイのどこかにあってしかるべき、なのではないだろうか。
高級車や輸入車にはあるという話も聞くので、技術的には可能なわけで、ということはやはり庶民レベルの車のお値段ではつけられないということなのか。
球切れの初回は注意で終わるせいか、本人はのほほんとしたまま、次の休日にでも交換するか、などとすでに過去の出来事となっている。
免許証の番号を控えられた、というのに、のほほんじーさんは翌日も球切れのまま走行するつもり満々なのであった。