とうとう最後のひとり と

わらって呟く

どの場所で

最後のひとりになったのか

本当は

誰にもわからない この場所で

 

もう二度と目覚めない人を

どこへ送ろうとしていたのか

今日も 誰も知らずにいて

未明の花は満開

 

こだまのような会話に埋もれてゆく

その場所も また満席

 

上へ上へと

流れてゆく

意識のかすみが

まぶたにはりついて

ここで眠る この場所で

 

すでにあなたの

てのひらから咲きだした

蓮の花は

別れ際にたたまれた

記憶とともに流されていたのか

たどりつく場所もまた

てのひらの中だったのか

 

うつむくたびに落ちてゆくもの

落とされてゆくもの

後に残された風のように

私だけが佇む

この場所で。