しなくても良いけど、した方がいいかも、といった出来事に遭遇すると途端にストレスとなる。
後で後悔するかもよ、と悪魔がささやいたり、それをしたときのリスクもあるのだよ、とまた別の誰かがささやく。
そんな1ヶ月が続いている。
一体何に悩んでいるのかというと、夫依存症の主婦の健康診断である。
今、悩み抱えているのは、その検診項目である乳がんのマンモグラフィと胃がんのバリウム検査を受けるべきか否かと、これは検診とは関係ないがインフルエンザの予防接種。
今まで素直に毎年受けていた検査と予防接種であった。
何の疑問も持たずに、何の知識も持たずに、平和な検査受診であった。
インフルエンザの予防接種も最近は予約もせずにできるようになり、都合の良い日に注射を打ってもらえる、と近くの名もなき女医さんの元へ行っていた。
が、しかしである。
今年の私は微妙に違うのである。
去年の私にはなかった医療体験が知識となって脳内に積み上げられてしまい、情報過多に陥ってるせいである。
乳がんのマンモグラフィ =  がんの発見効果としては、各医療関係者のコメントが違ってきている昨今の情報。
乳房被爆を毎年受けるリスクとがん発見のメリットは、果たしていかに、となる。
今年はマンモをきちんと受けていた有名人の乳がんの話題もささくれのように胸にひっかかる。
胃のバリウム検査にいたっては、慢性胃痛で通う消化器科の先生から「今時、もう専門医の間ではバリウム検査はしません」とまで言われた。
健康診断でやる場合は「断ってもかまいません」との強調マークつきで。

全てが自己責任の世の中になってきているのだと、悩ましい出来事に遭遇するたび身もだえする。
身もだえしている私を視界に入れないようにしている傍らの夫には相談しても無駄である。
どうしたらいいのだ、と思いつつ結局、マンモ項目にやりますとチェックをいれてしまう自分なのである。
そうそう、2ヶ月前、右胸が痛かった、さらにそうそう、今年の1月はその痛みで乳腺外科も受診したから、私の胸はちょっと警戒しなくてはいけない状況であるのかもしれないと、メリット重視の比重に傾き、納得のチェックマークとなる。
バリウムにいたっては、当日決めよう、などとまた悩み延長路線となった。
インフルエンザ、これもきっと行くのであろう。
高齢者が周囲にいる人は受けるべきでしょう、などと新聞に書かれていると、当たり外れのワクチンでも打つべきかも、と自分に言い聞かせる。
ワクチンにホルマリンが入っていようとチルメサーロが入っていようと、私は私だ、などと決意を新たにする。
悩んでいるうちに、インフルエンザ予防接種の時期は過ぎようとしている。
打っても全くムダにならないように重い腰をあげる今日の私であった。