奇遇で奇跡的な
トマト日和
フルーツトマトの片鱗が舌先に
からまって
音波信号につながった
あの人の横顔なんか思い出す
夏  一滴も曇らないはずの
予定表に
ひまわりのシールを貼りながら
月曜日から始まるカレンダーを
めくっていた 夏

生まれたての虹色のカキ氷
ソーダ水は水色で
天空には風鈴みたいな
流星群
夕暮れには不似合いの
ひまわりが
空っぽの心の中で
おひさまばかり探し続け
夜空には
わけしり顔の誰かがいつも
白い雲のように浮かんでいた


奇遇で奇跡的に
君の名前を共有した日
友達の友達は友達でした、まると
書きたくなるような
半世紀ほど 前から続く 永遠

そう
私の記憶はあなたから
はじまったんだ