我ながらよく続いている韓ドラ視聴。
最初の頃は、違和感たっぷりの韓国の生活スタイルに、画面の前でひとり疑問符状態に陥り、ストーリーの展開についていけない日々であった。

が、3年も経ち、60作品余を視聴した身ともなれば、違和感で一杯のドラマもいつしか韓国人レベルの目線となってきている。

立て膝をつきながら、ままごとサイズの円卓で食事をする女性の姿に「行儀がワルすぎ」と驚くこともなく、目上の人との飲み会では必ず横を向き、視線を合わせない、という不思議な所作にも理解はできないものの、そういうもの、という思考回路になりつつある。

国によって生活スタイルは違う、ということは海外ドラマや海外の映画を見ればそれなりにわかっていたつもりであった。

海を越えた米国や欧米諸国のドラマも10代の頃からかなり見てきた。

靴を履いたまま室内を歩き回る西洋の人たちには何の違和感もなく、私達とは違った生活スタイルがあって当然と感じていたのだが、お隣の国、韓国、ここは私達とさほど違わないだろうという先入観が多分にあったのかもしれない。

見た目は同じ黄色人種、風土も建築物も似ている、キムチと混ぜ込み料理が好きなこと以外、韓国と日本はそれほど違わないだろうと、なぜか固く思い込んでいた。
だが、韓国ドラマを見るたびに、に数々の不思議を目の当たりにし、近くて遠い国韓国を新たに知ることとなった。

そんなわけで唐突だが、その新鮮な初心の驚きを忘れないために、「韓国わたしの不思議シリーズ」としてここに書き連ねてみることにする。

衣食住の「衣」に関しては、受け入れる心のふり幅が大きいので、どんな格好をしていても、新しい文化だと考え、割とすんなり受け入れられるものだった。
「住」に関しては、日本家屋と似た部分が多いのだが、韓国の貧富の差が極端にわかる住居になっていて、面白い。

私にとって圧巻なのは、やはり「食」にまつわるエトセトラである。

最初のびっくりは「ラーメンをフタで食べる」である。
よくインスタントラーメンを食べるシーンにお目にかかるが、ツウな食べ方として鍋で作ったラーメンをフタにのせて食べる老若男女に、これはこの一家の悪い習慣なのかと思っていたが、そうではないらしいと知ったのは、ドラマ10作目あたりから。
このツウの食べ方シリーズとして、ボウルごと食べるビヒンバというのもあって、日本でいえばお行儀が悪いわね、というお小言の対象となる習慣であろう。

朝からお箸とスプーンが混在する朝食にも、私的にはいかがなものか、である。
しかも、このお箸が銅製、もしくはステンレスのような金物材質で長い。
お箸の長さを見て、菜ばし、もしくは骨あげの時のお箸を思い出してしまったのは私だけだろうか。
この金属製の理由は、昔、王様が毒を盛られた場合、反応するからとか・・・。
うーん、わかるけど、なんか、おいしさが半減しさうである。

スプーンは幼児さんまで、と教えられた私には、大人がスプーンを使ってご飯を食べる、というのは困ったちゃん感でいっぱい。
また、スプーンの上にご飯をのせ、その上にキムチや惣菜をちょこちょこのせて食べるというスタイルは小さなスプーン丼のようで、そんなにしてまで色んなおかずを一度に味わいたいのか、君たちは、と思える。

そして、朝からかなりの惣菜小鉢が食卓に並んでいる。
スープは必ずご飯に寄り添ってのセット。
立派な鍋の朝食もあり、のようで、朝食にこれだけ用意する主婦の力は偉大。
また特別な日に食べる食として、誕生日にはわかめスープ、刑務所から出所したときにまず食べるのは豆腐とか、日本ではおなじみの食材がなんか、違う意味をもつものに変身している。

お粥も欠かせない定番料理のひとつ。
ドラマではあわび粥というのが頻繁に登場する。
海鮮の食材は結構豊富らしく、魚も色々登場する。
「いしもち」なんて私の近辺のスーパーではめったにお目にかからないが、韓国では日本の「鯖」的になじんでいる魚のようだ。

混ぜ混ぜの食事と焼肉については知ってはいたが、本場の人々の食べ方を見ると、それだけで、ぐったりするようなパワーを感じる。
とにかく、混ぜるのが好きらしい。
先日見た「小豆ククス」にも混ぜ混ぜの味への想像が分裂しすぎて1週間ほど、その料理の場面が頭から離れなかった。
画像的には、甘くないお汁粉の中にそうめんが入っているという感じである。それを汁の汁感がなくなるまで麺にからめていただくのである。
そのまま食べても良し、砂糖を足しても良し、塩を足しても良しという料理。
小豆粥というのもあるし、小豆そうめんでもいけそうな気がするが、私としては、そうめんはそうめんとしてツルツルといただきたい。
お粥の種類はかなり多い。
お粥専門店のお店もドラマの中ではよく登場していた。

麺類といえば、パスタやピザの付け合せには必ずピクルス、というのも不思議である。
カレーの福神漬けやラッキョウと同じ感覚でパスタやピザの味の引き立て役、ということなのだろうか。

食器がまた面白い。陶器とステンレスがほとんどで、陶器は模様がモダン柄で形は鉢型のような不思議な形。
私が見ていたドラマでは、どの家庭もご飯茶碗も、汁物も陶器であった。白地にバラの模様が入っていたりして、大きめ。
朝から内容は和食なのに、食器はベルサイユ、みたいな感じである。

 以下 教えて 韓国 その2 へ 続く~