旅の道連れが、雨男と雨女。
でも、もしかしたら今回は少しはましなお天気になるかな、と期待してしまう一泊旅行2日前。
天気予報を規則正しくチェックしつつ、でも春の天気は予測不可能だと身の程をわきまえる。
とりあえず、今の時点で当日の天気、曇り、のマークに嬉しくて小躍りしていた昨日。
海に沈む夕日は完全に没になったけど、暖かな曇り日、朝の海岸の砂浜を宮沢賢治風に歩く私という、イメージを展開させながら、うっとりと荷物をまとめる。
今日まで若葉みどりの快晴が続いている。こんな日に突然「思い立って、旅」に行けたらいいけど、行けるわけない庶民はひたすら神頼みを決め込む。
毎回旅先を決めて、旅館の予約をする時のイメージは快晴である。
ここには懲りてない、全く懲りてない私がいる。
そう、旅の道連れが、雨男、雨女であった。雨男は夫、雨女は母であるが、この2人がイベントに参加する日は、確実に雨、もしくは荒天の1日となる。この確率は確率というより絶対である。忘れていないけど、今回は忘れたかった。
結構な時間とお金を注ぎ込んで、ようやく夕日の海と朝焼けの海が見えるお部屋をGETしたのだから。でも、今となってはそれも空しい。
前日の天気予報、見事に、当日雨、しかも翌日も雨。
誰を責めるでもなく、「雨です雨」と言いたくて、母に電話してみると「でしょ、いつもそう言ってるからいいじゃない」と全く動じない。誠に母の鏡である。
雨が降ろうが、槍が降ろうが、を座右の銘として生きてきた彼女には、たかが雨で旅行気分が変わるものではないらしい。
そう、たかが雨だよ、と自分に言い聞かせてはみるものの、毎回、雨というのもつらく、もう旅行なんぞ行くもんか、とそのたびに思う。
思うくせに、奇跡的に連休がとれるとなぜか、「せっかくだからどこか行こうか」などと言い出してしまう忘れん坊将軍の私なのであった。