笑えない日ばかり続くカレンダー春だからって笑う理不尽

空色のフグリの春に佇んで宝石みたいな時間を探す

君に会うただそれだけの夏がきて予告もなしに閉じた幕

何してもだめな日そんな日があなたの誕生日って夜気づく

「かなしい」の漢字がたくさんありすぎてケーキの味がわからない午後

右手に箸左手にスマホのままランチする相席みたいな彼と彼女

ヤシの葉が揺れる海辺の露天風呂白波の泡の数だけ嘘はつかない

今多分あっちの世界にいっている母の座椅子が左右に揺れて

ここだけの話が踊る階段で私たちは思いがけずの大人になる

捨てられた女みたいに咲いているナガミヒナゲシこの道にも