記念に…と
描きかけた
ふたつのオレンジ
は
ふれてみると
あまりに青く
私の身体に
滴りはじめる
とまどいの波浪
描きはじめた
ふたつを素通り
駆け出した午後を
追う声のリフレイン
曖昧な縫い糸を刺された
瞬時(とき)の
軽いため息
いま
流れ出す
後悔の滴に
彼の長躯があふれ出して
とまらない
とうとう振ることのできなかった
この右手を
色づきはじめた
ふたつの傍らに添え
彼の元へ
転がる
私の
-オレンジ素描
21歳の時に書いた詩がひょっこり出てきて
ちょっと懐かしい。
いつも誰かを好きになってた私。
好きの感情が思い出せないくらい年を重ねてしまったね。