白昼夢・・・ 

不快指数をたっぷり含んで
最初のしずくが
額に溶ける
パラソルを回す子供たちの
下校時刻
多分 あまりにも早い
昼下がりのデジャブ

後姿に重なった
見覚えのある記憶の背中
見え隠れする残像から
はじまりのシーンを消してゆく
大粒の雨

6月の緑は雨のささやき
ひと雨ごとのやさしさを
葉脈の中に織り込んで
忘れられないシーンを
視界の奥に開いてゆく

あなたを待つ坂の途中
両手を広げて
受け止める
夢だった時の悲しみ