妊娠中、なにかとネットで出産レポを読んでは、色んなことを覚悟していた。
陣痛や会陰切開はもちろん、場合によっては帝王切開になるかもしれないし難産かもしれないと。
実際、陣痛は内臓を引きちぎられるような痛みだったし、
破水から始まった出産は、今まで経験したことのない出来事だったが、
なる程、これが噂に聞いていた痛みかと納得でき、このあと確か切られて縫われて…と流れも分かっていた。
予習しておいて良かった、と。
でも私は知らなかった。
調べもしなかった。
産後すぐに待ち構えている苦痛を。
出産は産んだら終わりじゃない。そこからスタートなのだ。闘いなのだ。
私が息子を産んだ病院は、産後2時間後から母子同室の病院だった。
今思えば、母子同室で本当に良かったと思えるが、当時は心から後悔した。
陣痛が来たのは夜中の3時。
産まれたのは翌日の13時頃だった。
10時間程かけて、命がけの出産をした後、すぐに育児が始まるのだ。
休憩も睡眠も取らずに。
もちろん出産直後は既に寝不足。
徹夜で富士山をダッシュで登ってきた後のような疲労感の中、
今にも消えてしまいそうなか弱い新生児と急に二人きり。
身体中あちこちがジンジン痛い。
初日は初めての出産でテンションが上がっているが、2日目から徐々に辛くなる。
会陰切開の傷の痛みで座れず、後陣痛がじんじん痛み、全身筋肉痛。
母乳は最初の出始めは、おっぱいが岩のようになり、まるで蜂に刺されたかのような痛み。
壊れてしまいそうな、か弱い赤ちゃんは、何故か泣き止まず。
3時間でいいから、まとまって寝たい。
座ってても寝ても痛い会陰の傷。
歯を食い縛って我慢しながら、お乳をあげる。
乳首は血豆が出来て、胸もシコリができ熱を持って、吸われる度に悲鳴をあげそうになる。
あれ?この痛みはいつまで続くの?
赤ちゃんは容赦なく泣く。
夜中でも、早朝でも、
やっと寝れるーと一息つこうとした瞬間にも。
抱っこのし過ぎで手首は腱鞘炎。
授乳クッションの購入をすぐに決心した。
もう一度言いたい。
産後がこんなに辛いなんて、誰も教えてくれなかったー!
唯一良かったことは、総合病院で産んだのだが、先生や助産師さんが厳しくも良い人が多く、本当に頼りになったことだ。
退院したら、赤ちゃんの命は自分に全て委ねられる。
母子同室中に些細なことも聞けて、あれ?これどうするの?という事も入院中に気付けた。
家に帰ってからだったらテンパっていただろう。
またNICUも完備されていたので、何かあればすぐ処置してもらえた。
母体の痛みについては、
助産師さんには、「一ヶ月すれば落ち着きますよー」と言われた。
「赤ちゃんのお世話でドタバタして、あっと言う間に過ぎちゃうから大丈夫よー」と。
言う通り、今度は少し赤ちゃんが元気ないだけでてんやわんやし、初めての沐浴、びっくりするような吐き戻し
初めての経験だらけで、自分の体が痛いなんて言ってる暇もなく、あっと言う間だった。
確かに、身体的な痛みは一ヶ月で収まったのだが…。
産後2ヶ月の今、笑い話にもできる。
新生児が可愛すぎて、もう一人産んでも良いとも思える。
でも私は、
あの地獄のような一ヶ月を忘れない。笑
※人にもよります。
これから産む方…、頑張って!