全国の産地を周り、
生産者さんだけでなく、
地方公務員、組合、各種組織の人々に会い、
都心で、
飲食店、小売りバイヤー、EC運営者、
地方活性の組織を作っている人などに会い、
出て来た回答はあまりにも簡潔だけどこれ。



1.国の出す補助金を活用した農業

補助金嫌いだった僕がこの回答を出すのはしゃくだったのだけど、
勉強すればするほど、先進国において食、とりわけ食糧生産を市場経済
の中で戦わせると他の産業と比べて生産性で負けることが明確になった。
補助金というのは、言い換えれば国策であり国家戦略の一環。
農業のあるべき姿のビジョンは各自治体、もっと言うと各生産者さんで異なる。
霞ヶ関の本当のビジョンを理解して、推進する事業者が必要だと思う。
もし霞ヶ関のビジョンが違うのであれば、変える力を持たなければいけない。



2.付加価値がある作物を作り、自らで販路開拓する

付加価値というと一般的には、ブランド品というように思われるがこれは違う。
「こんなにいい作物が、こんなに安く手に入る。」
これも大きく見れば付加価値だと思う。
そういった意味で、福島県は日本の食糧を支える重要な県であった。
福島県から農産物が買えなくなるかもしれないという状況が起こり、
ある一定規模の飲食チェーンや卸業者はバタバタしたのがこの3ケ月だった。
販路は自ら開拓し、分散させる必要がある。



3.地域一体となり地の利を活かした農業で観光地となる

良い作物を作れるエリアには良い自然がある。
そこを見たいと思のは、感情の自然な流れだと思う。
多種のヒアリングの結果、事実そうだった。
ただ、現実として農業を行う場所は観光地ではない。
そこは仕事場であり、期待値を上回るほどの観光施設なんてそうそう無い。
せっかく意識が産地に向いたのであれば、そこに受け皿を作ることもビジネスになる。



4.農業技術というソフトを販売する

例えば、秋田県でうまくいった農業技術が愛知県では通用しない場合がある。
農業は風土が大きな影響を与える産業なので、
工場での技術のように単純なソフト販売はできない。
だからこそ、日本の一流の農業者には価値があると考えている。
海外への技術流出を恐れるのではなく、
海外へ技術を販売することを行うことで新しいビジネスモデルができる。
また、同じ作物を海外で作ることが可能になっても、
風土や育てる人が変われば味も変わる。
だから、単純に競合にはならない。



この4つを農業経営者が自分たちに合うポートフォリオにして
最適なマネタイズ方法を考えることがこれからの農業には必要だと思う。
もちろん、1点突破もありだし、4つをうまく組み合わせるのもあり。
ただ、1つだけ言えるのは、どれも中途半端だと絶対に通用しないということ。