舞台「銀河英雄伝説」ニコニコ無料配信の最後はこれでした。

「銀河英雄伝説 第二章 自由惑星同盟篇」


ついに同盟軍と魔術師ヤンの登場です。

演出は西田大輔さん。主なキャストはヤン・ウェンリー河村隆一さん、ジェシカ馬淵英俚可さん、ラップ野久保直樹さん、ムライ中将大澄賢也さん、キャゼルヌ中将天宮良さん、シェーンコップ松井誠さん、ポプラン中川晃教さん、イワン・コーネフ中村誠治郎さん、フレデリカはねゆりさん、ユリアン桑代貴明さん、シトレ元帥西岡徳馬さん、アクション殺陣が深沢英之さん。


西田さんは「舞台 シュタインズゲート」を先月見たばかりだったので期待感いっぱいで見たんですが、艦隊戦などを映像を使っていたので凄く状況などが分かりやすい感じがしました。

また、最初に、「第一章 銀河帝国篇」の最初の方の陣形ダンスで輪っかになった時の戦いから始まり、帝国軍が駐留している難攻不落と言われたイゼルローン要塞を落とすという作戦が描かれているので、「第一章 銀河帝国篇」の時に分かりにくかった前半部分が、これを見るとよく分かるようになっています。


更に「オーベルシュタイン篇」とも合わせて見ると、帝国側、同盟側、それぞれの場面が繫がって凄く見ごたえがありました。特に「オーベルシュタイン篇」でイゼルローン要塞が落ちて同盟から「降伏しろ、降伏しないなら逃げろ」と勧告が来たエピソードは、ゼークト大将の忠誠という名の部下をも一緒に散るのが良し、とする行動に対するヤンの怒りと、無益な戦いはしないとする同盟側の意思がよく伝わってきます。


ヤン・ウェンリー役の河村隆一さんは、しゃべり方、間合い、ふとした仕草、動作、表情、全てがヤンそのものでした。今まで見た「舞台 銀河英雄伝説」の中で一番適役じゃないかと思うくらい素晴らしいヤン・ウェンリーがそこにいました。河村さんの演技を見ていると、あぁ、この人は銀河英雄伝説が、ヤン・ウェンリーが根っから好きなんだな、っていうのが画面いっぱいにあふれてきます。


銀河帝国はなんとなく立ち振る舞いなど上品な人物が多いのに比べて、自由惑星同盟は個性的で自由な人物が多いイメージがあるのですが、というか、ヤン自身がとっても酔狂な性格をしているので、そこに集う人たちは自然と同じようになるのですが、中でもこの二人は本当に自由人だなという印象が強い、ポプランとシェーンコップ。


共にスパルタニアン、ローゼンリッターという白兵部隊所属でこの舞台でも二人は大活躍でしたが、特にポプラン役の中川さんは凄く楽しそうに演じてらしゃるのが凄く伝わって来ます。この二人とヤンのやり取り見てると、あぁ、これが自由惑星同盟なんだな、っていうのを凄く感じて、なんだかほっとします。


ストーリーはヤンが第十三艦隊の司令官に着任して、すぐに評議会が強引に次の出兵を決めたエピソードあたりまでなんですが、この時のトリューニヒトの演説で乱入してきたジェシカの叫びと、ヤンの心の苦悩にやるせないものを感じながらも、やがてヤンが「家族」と称するようになる第十三艦隊の仲間たち、そしてユリアンと共に前を向いていく姿に希望の光を見たような気がしました。


そして、そのまま自然な流れで静かに音楽が流れ始め、ジェシカとフレデリカの澄んだ歌声が会場に響き渡り、ヤンと全員で歌い上げるエンディング。この歌とみんなの表情が自由惑星同盟という国とその雰囲気を醸し出しているようで凄くよかったです。


オーベルシュタイン篇もそうでしたが、この舞台でもストーリーに沿って流れる音楽が本当にいい雰囲気を出しているな、って思いました。そしてシトレ元帥役の西岡徳馬さんの重厚な演技と冒頭での歴史ナレーションがまたいい感じで、この後に続くシリーズ全部見たくなってきました。


そういえば、11月29日から上演の「舞台 銀河英雄伝説 第四章 前篇 激突前夜」ですが、12月に入ってからになりますがニコ生決定だそうです。こちらはネットチケットが必要になりますが、2014年2月に上演の「第四章 後篇 激突」で完結だそうなので、これは凄く嬉しい配信です。というか、完結って、どこで完結なのかが気になります。ヤンのところまでなのか、ユリアンのところまで行くのか。もし最後まで行くなら前半の最後は…


どっちにしても、ヤンとか、ロイエンタールとか、名場面がたくさん残っているので、前篇も後篇も凄く楽しみです。