「怖かった月組」ですが、研3・研4と月日が流れるにつれて、どのような時にどう対処したらよいかがわかって参ります。

そのような中「PUCK」新人公演ヒロインのオーディションがありました。
宝塚でヒロインをやったゆうこ(風花舞さん)が海外公演に出演する事になったからです。

午前中 新人公演の娘役全員が小池先生のオーディションを受けました。

ハーミアのひと場面を演じるのですが、その場面が割と私が得意としている芝居の分野でした。
これも運だと思います。
この時にもし違う場面がオーディションであれば、私はハーミアをしていないかもしれません。

夕方には小池先生が
「東京新人公演のヒロイン発表するよ。なっちゃん!なっちゃん!なっちゃんにします!!なっちゃん大劇の新公の妖精🧚‍♀️もかわいかったから。」とあの独特の口調でペラペラと言って下さいました。

驚くやら固まるやら恐ろしいやら…無気力
嬉しいなど全く思いませんでした。

「怖かった月組」の中でも書きましたが、私は「一度私にやらせてみなさいよ!」みたいなことを1ミリも思ったことがない人間でしたので
「さぁ、どうしたものか…絶望絶望絶望」魂抜けました。

しかし本役さんは大好きなよしこさん(麻乃佳世さん)。
ご挨拶に伺いましたら素敵な笑顔で「がんばってね」とおっしゃってくださいました。
東京公演中も、本公演の開演前に度々「失礼します」と言って色々とお話しをさせていただきました。
役作りの事はもちろん、カツラの事なども相談をさせていただきました。

どう考えてもハーミアはストレートヘアだと思い、「よしこさんと全く同じにはならないように気をつけますが、基本の形をストレートヘアにさせて頂きたいのですが」と相談をしましたら(昔 月組には上級生の方と同じ髪型にしてはいけないという謎のルールがありました)
よしこさんがぱっと明るい笑顔で「そうだよね。ハーミアってストレートヘアだよね。気にしないでストレートにしたらいいよ」とおっしゃってくださいました。

ここにも神が‼️

私は、ちょいちょい「娘役の神」に出会い助けていただいておりました。

ハーミアをやるときに、オーディションで公平に選んでいただいた事で、それまで私に厳しく接しておられたような方も、「東京から急に大きな役では大変でしょう…」と、とても親切にしてくださるようになり、お化粧を見てくださったり舞台稽古でアドバイスをくださったりして下さいました。

研4で新公のヒロインは遅い方です。
新人公演内の上級生の娘役さんから呼ばれて
「研4でヒロインをやるならできて当たり前。これまでのいろんな思いもあるでしょうからしっかりやりなさい。」
このようにおっしゃっていただきました。

ご自分だってそのオーディションを一緒に受けたわけですから、私にこのような言葉をかけてくださるのはお辛かったのではないかと思いますが
「しっかりやりなさい」とおっしゃってくださいました。

あぁ!神‼️

皆さんは宝塚で公演をしているわけですから、後からこのように大きな役で加わるのはなかなかなものでした。

皆さんはセリフも歌も振り付けも全て覚えておられる中、私はとにかくすべてを1から…いえ、0から覚え直さなくてはならないのです。
実は本公演にもズレが生じておりました。
ゆうこは本公演でも役付きでしたから、そちらのズレもあったのです。(ちなみに大劇場公演の新人公演、私はゆうこの妖精の🧚役でした)

本公演も新しい役になりすべてを覚え直しておりました。
そこに新人公演も大きな役ですべてを覚え直しました。

昔、東京公演中に休演日はなく毎日毎日 2回、2回、1回、2回、1回、2回、2回、1回…、みたいにとにかくひたすら公演をしておりました。
その終演後に、新人公演のお稽古をするのです。
劇場の地下にあるお稽古場を使うこともありましたし、寮に帰って寮の稽古場でお稽古をすることもありました。

そうこうしているときに本公演のショーでなんと代役が回ってきてしまいましたえーんえーんえーん
しかもラインダンス。
しかも男役さんの…ネガティブネガティブネガティブ

月組の中で1番身長の低い私が男役さんのラインダンスの代役…。


絵柄を考えたら私は1番端でなくてはなりません。(←ザ チビ笑い泣き
ラインダンスといっても最初から最後まで1列に並んでひたすら足を上げているわけではなく、様々なダンスパートがありますので 私を1番端にしてしまうと他の人も皆ずれて振り付けを覚え直さなくてはなりません。

結局組長さんから、その男役さんのところにすっぽり入るように言われました叫び叫び叫び

「本当に良いのですね…」いろんな意味で恨めしいような気持ちでしたチーン

足は気合であげますよ不満
高さは揃いますよ怒り
でもね 
長さが違うのよゲローゲローゲロー

足を上げながらふと袖が目に入りました。
少しずつ仲良くなってき始めた上級生の方々が、心配そうな顔で私を見てくださっておりましたが次第に笑われておりました…ニヤニヤ

少しずつ月組に馴染んできたように思いました。