こんにちは。

タオさきです。

 

 

 

さて、4月から小説をUPしています。

とぎれとぎれの更新だけどよかったら読んでね。

 

初回こちらから

 

 

 

最初から全部読みたい方は記事一覧からどうぞ

 

 

 

小説 「本当のこと」14


 


次の土曜日、葵は楽しみにしていたヨーガ教室に出かけた。

少し遅れて、和室の襖を開けると、

3人しか生徒さんがいない奥で、眞規子さんがポーズをとっていた。


手を真っすぐに広げて、

伸びた背すじをくるりとねじって

葵のほうを見た。




今までどんな時もこのように周りの人と風景を消し去ったことはなかった。ダイヤモンドの瞳だった。あまりにもまぶしくて、目をそらしてしまいそうだった。




お茶の時間になって葵の隣に座った彼女は静かに言った。




「私ね、、。この間、あなたと話して、、、

許そうと思ったの。


母親を喜ばそうとした合わない結婚を結果的に継続した自分を。

姉でもなく妹でもなく

本当の本当は、私を1番に愛してほしいと言いたくて、でも言えなかったことを。

それを夫に重ねたことを。



そして、だれより私がありのままの自分自身を愛せなかったことも」




彼女の笑顔は、神々しくて今まで見た中で1番優しかった。


「あなたも子供が居てもいなくても、

そんなこと関係なく愛されてるのよ、本当は」 



葵は、自分の弓の背中が急に愛おしく思えた。

                                                  

                       


 

 

 

 

 

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