早いもので、12月も3週目を過ぎた。
今年も那須に住む両親にクリスマスプレゼントを送る。
年金暮らしなので、日持ちのするパンやカセットコーヒー、レトルト中華丼などの食品が喜ばれる。これに加えて、母にはありあけのハーバー、父には桃のゼリーを入れれば完璧だ。
「たしか、生八ツ橋も好きなんだよね」
何の規則性もなく、手当たり次第に買い求めた品を大きな段ボールに詰めた。食べ物ばかりでは味気ないので、入浴剤やオシャレなマスクなどの雑貨も上の方に載せる。
「全部入らないかも」
買い過ぎたようである。1月には母の誕生日があり、またプレゼントを送るので、クリスマスっぽくないものを取り出した。
たとえば干しシイタケ。
次にイワシの佃煮。
クリスマス感はなく、どちらかといえば歳末用品だろう。あれば便利だけれども、賞味期限が来年の5月までになっているので、次回に回したところで何の問題もない。
クリスマスにはカードがつきものだ。
毎年「どれにしよう」と迷うが、今年は雪化粧をした外国の街並みを表現したものにした。
「うん、キレイ」
ここ10年ほど出かけていないが、母は海外旅行が好きだった。聖夜に楽しかった思い出が蘇ってくれば、クリスマスのワクワク感が大きくなるかもしれない。
ガムテープで封をして荷物を送った。
翌日には「着いたよ」のメールが届く。
意外なことに、今回は狭山茶と八女茶が嬉しかったようだ。
「ちょうど買わなきゃって思っていたところ。ありがとうね」
タイムリーな品は喜ばれる。ナイス偶然、とガッツポーズをした。
送ったあとに浮かんだアイデアもある。
「年末ジャンボ宝くじを入れればよかったかな」
父は毎年のように宝くじを買っていた。もちろん、ハズレばかり。しばしの間、夢を見るのがよいのだと話していたっけ。
「今から送ろうかしら」
買うならくじ運のよい夫に頼むのが一番だ。
ついでに私の分も頼んじゃおうかな。
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「これはしたり~笹木砂希~ 」(エッセイ)
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