本日、ダンナちゃんと夕方の部を観に行った。

 

もともとは舞台劇だが本作は、アニメと実写のメディアミックス。

忍びの集団久々津(くぐつ)から、無断で抜けたいわゆる「抜け忍」の猿飛佐助(中村勘九郎)は、同じ抜け忍の霧隠才蔵(松阪桃李)と共に算術や鑓などの武具使いに長けたユニークな人材を集める。これが真田十勇士である。

 

彼らは、九度山に蟄居する真田幸村(加藤雅也)を天下一の英雄に仕立てるためにあらゆる手段を用いる。

実はこの幸村は、名将ではなく弱気な腰抜けだったのだ。第二次上田合戦で徳川秀忠勢を破った話が出るが、幸村に言わせれば、たまたま逃げ込んだ支城に徳川勢がいて、たまたま大将がいなくて手薄だったため、徳川勢を追い払えただけなのに、世間では《天下に並ぶ者なし》と言っているだけなのだ、と。

世間の評価と現実のギャップ、虚像と実像とに腰が引けている幸村に、佐助は「ウソもつき続ければ本当になる」と吹き込む。

 

 イケメン武将の幸村に淀殿(大竹しのぶ)は以前から恋し、また、霧隠才蔵には久々津の頭領の娘・火垂(ほたる=大島優子)が恋している。戦国の世では思いどおりにならないラブストーリーを交え、幸村と長男・大助の父子愛、淀殿と秀頼の母子愛は涙を誘う。

 

大坂の陣で築かれた出城(要塞?)「真田丸」は、セットでもCGでもなく、実際に建設したのだそうだ。木材の香りまで漂って来そうな出来栄えである。そこを舞台に展開される戦国最後の決戦は、ドローンを使用して空中から、或は人の身長の高さ、上下からのカメラアングルを駆使しての撮影。幸村隊の赤備えと徳川隊の黒い甲冑が激突する赤と黒の決戦の様子は、私の思い違いでなければ昔の映画「天と地と」でも描かれた。ダイナミックな配色である。

その赤と黒の間を幸村を乗せた白馬が、ひたすら家康に向かって進んでいく。幸村や大助を守ろうとして敵の攻撃に絶命する十勇士の面々。しかし、徳川勢の矢は幸村を射る。父をかばおうとした大助もまた、攻撃される。そんな深手を負いながらも、父は大助を抱き支える。家康の近くにいた射手はとどめを刺そうと弓を構えるが、家康はこれを制する。これぞ、武士の情け。ダンナちゃんは洟をすすっていた。

 

史実と虚構、コメディー、人情が織りなす戦国エンターテイメントに笑って泣いての2時間15分。エンドロールのイラストで、生き残り十勇士と新たに募集された二代目十勇士がアジア各地を転々とし、最後に天草に行く話はバカバカしいけど、これが真実だったら面白いと思わせる堤幸彦監督のセンスはさすがである。