ヨーロッパの小国のアン王女と、スクープ狙いの新聞記者の許されない恋物語。

王女を演じるのは、これがハリウッドデビュー作となったオードリー・ヘプバーン。新聞記者役は、既に故人となったアカデミー賞俳優グレゴリー・ペック。

 

 王宮生活で外の世界を知らないアン王女は、外界に興味津々。ローマ滞在中の夜、こっそり宿舎を抜け出して街に出るが、侍従医に精神安定剤の注射を打たれていたため、路肩で寝てしまう。

 そこへタクシーで通りかかった新聞記者。若い女の子がこんな所で…と思い、彼女を家まで送ろうとするが、彼女は意識が朦朧(もうろう)としていて、まともな答えをしない。

仕方なく、自宅アパートまで連れて行き、一晩の宿を貸すことになる。

 

  アン王女の失踪を知った王国側は、王女急病のため会見は急遽キャンセルを発表。

新聞記者は、昨夜の女の子がアン王女だと知り、友人のカメラマンと共に王女に密着してその素顔をスクープしようとするが・・・。

 

 アン王女はアーニャと名乗り、ローマの街なかを歩き、髪をショートカットにし、スペイン広場で足を開いた格好で(といってもスカートで足が隠れているけど)ジェラートを食べたり、一般女性と変わらぬ時間を味わう。あくまでも時間。

 王女はおカネを少ししか持っていないので、市場で花屋から花束を渡されても、それが買い物になるとは思っていない。王女として花束を渡されるのは日常的であるのを物語っている。王女がおカネが無いと言うと、花屋は一本だけ王女に渡した。これも粋なはからい。王女生活と一般庶民生活のギャップが所々に現れてユーモラスである。

 

 新聞記者は、アーニャをスクーターに乗せ、真実の口や、コロシアム、船上のパーティーなどに連れて行く。カメラマンは王女の喫煙姿や、王女を捕まえようとしたエージェントたちと乱闘が起きた時の王女の活躍(?)ぶりを撮影する。これは、大スクープになる筈だった。

 そんな中で、芽生えた恋。

 

 しかし、王女は自分の立場を知っていた。王女は、記者に送ってもらって宿舎に戻るクルマの中で、最後の別れの言葉を告げる。この時の言葉はラストシーンの伏線になっている。

 

 翌日、王女がローマを去る際の記者会見で、王女は記者とカメラマンの姿を目にする。

王女は、報道関係者一人一人に挨拶をしたいと異例の申し出をする。記者とカメラマンの前に来た時、さりげない挨拶を交わし、カメラマンは例の大スクープになる筈だった写真を「ローマの記念に」と言って渡す。ダンディである。粋以外のなにものでもない。

 

 会見が終わり、王女や侍従たち、他の報道関係者が去っても、記者はたった一人王女の姿が消えた角を見つめて立ち尽くしていた。そのラストシーンこそ、「男の真実の愛」だった。

 

 この映画の撮影場面はすっかりローマ観光の名所になり、ジェラートも有名になった。

 私的にこの映画のおススメは、日常英会話のヒアリングに向いているという点。何故なら、セリフがゆっくりで、簡単な単語が使われているから。ヘプバーンの妖精のような可憐さと美しさを楽しみ乍ら、英会話を学べます。