ジャンヌ・モロー主演のフランス映画「クロワッサンで朝食を」を観た。母を看取った後、家政婦としてパリにやって来たエストニア人のアンヌ(ライネ・マギ)が、裕福だが頑固で気難しく友人も夫もいない孤独な老婦人フリーダ(ジャンヌ・モロー)の世話をし始める。
当初はアンヌを困らせてばかりいたフリーダだが、次第に心を開き、二人は歩み寄っていく。フリーダの元カレであるステファンの存在が彼女の生きるチカラとなっていることに気づいたアンヌは・・・。
台詞は少ないが小物の置き方・扱い方、光の明度で心象を語っている。そして、もう一つ忘れてはいけない主人公がパリの風景。昼間はもちろん、夕景、夜景、夜明け・・・と様々な表情を見せるパリの素顔。住む世界が違う二人が互いを好きだと感じていく過程が、パリの風景描写と重なっている。
私的には久々の感動作。人生後半の生き方を考えさせてくれる心あたたまる大人の映画である。