女性版忠臣蔵!「加賀見山旧錦絵」イラストあらすじ【10分で簡単に分かる文楽・歌舞伎】 | さきじゅびより【文楽の太夫(声優)が文楽や歌舞伎、上方の事を解説します】by 豊竹咲寿太夫
進研ゼミ 中学講座



忠臣蔵をリスペクト。








文楽・歌舞伎の名作、仮名手本忠臣蔵。

忠臣蔵は史実の赤穂浪士の討ち入り事件をもとに舞台化しています。


そんな忠臣蔵をリスペクトした、いわば女性版忠臣蔵とでもいうべきお芝居があることを知っていますか??









これは忠義の物語



加賀見山旧錦絵
かがみやまこきょうのにしきえ
というこのお芝居は、加賀のお家騒動がもとになっています。


時代物(武士をテーマにした作品のジャンルの名称)で、未完です。

その内の後半の物語が今でも人気の場面で上演され続けています。




主人公は尾上という中老職の人でした。

その尾上をライバル視するのが、岩藤という人です。


そして、もう一人の主人公として活躍するのが、尾上の家来のです。



全員女性です。





尾上は一般市民の出で、サラブレットじゃないのですが、とても優秀な人です。

つまり、ハーマイオニーです。


だから、岩藤は気に入らないのですね。



ある日、何かにつけて因縁をつけはじめ、ごちゃごちゃと御託と並べて、草履が汚れたと言いはじめるのです。

そして、尾上をその草履で叩きました。




尾上はその場でじっと堪えます。




岩藤はもやもやしたままその場を後にしました。






Point


どろどろ。





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雪辱に耐えかねて。


その場は耐え忍んだ尾上でしたが、その屈辱は心にとても大きな傷を残しました。



その話を噂で耳にした
尾上のもとへ行くと、身の回りの用事をしながら、忠臣蔵の話を引き合いに出して、くれぐれも塩谷判官のように命を落としたりしないでほしいと遠まわしにいいました。




そんな健気な家来の初に、尾上は母に渡して欲しい、と箱を手渡しました。


今晩中に武家の女性として屈辱に耐えかね、切腹してしまうのでは、と気が気でない初は、明日でもいいかと尋ねます。



しかし、今晩中にどうしても渡して欲しいということで、初はしぶしぶ出かけました。





外に出ると、烏が不気味に鳴いています。




不穏な空気に包まれていました。



初はどうしても箱の中身が気にかかり、失礼だと思いながらも封を解きました。


そこに入っていたのは

書き置き



因縁の草履


でした。



Point


尾上は最初から切腹するつもりだった。







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主君の仇討ち




それを見た初は飛んで帰ります!!


ですが時すでに遅し


尾上は自害していました。


そして、尾上の書き置きには、岩藤がお家乗っ取りの計画を立てている証拠も記されていました。



忠義心に燃える初。



岩藤のもとへ単身乗り込みました。



さて、こういった御殿などに仕える女性は武術の心得もあります。





初と岩藤は激しい斬り合いをみせ、ついに初が主人尾上の雪辱を晴らしました。

また、岩藤の裏切り行為も明るみにでたため、その功を認められ、初は中老へと昇格し、二代目尾上と名乗ったのでした。




Point


忠義に燃える初と岩藤の女性同士の立ち回りは圧巻。






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忠臣蔵をリスペクトしているお芝居なだけあって、作中でも「大石」や「忠臣」「忠義」など、忠臣蔵を彷彿とさせる単語が頻発します。


こんな小ネタも楽しみつつ、ぜひ加賀見山旧錦絵をお楽しみください!!






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とよたけ・さきじゅだゆう
:人形浄瑠璃文楽
ぶんらく
太夫

国立文楽劇場・国立劇場での隔月2週間から3週間の文楽
ぶんらく
公演に主に出演。


その他、公演・イラスト(書籍掲載)・筆文字(書籍タイトルなど)・雑誌ゲスト・エッセイ連載など
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