レクチャーという、文楽をたくさんの人に知ってもらいたい思いと工夫。 | さきじゅびより【文楽の太夫(声優)が文楽や歌舞伎、上方の事を解説します】by 豊竹咲寿太夫

       
  舞台とレクチャーと。







見台








文楽
ぶんらく
太夫
たゆう
をしている咲寿太夫
さきじゅだゆう
です。



さて、普段は国立文楽
ぶんらく
劇場、国立劇場の長期公演に出演させていただいていますが、その公演以外にもお仕事を頂戴することがございます。

これは皆、ほかの演者も同様で、それぞれに多様な活動をされています。



わたし自身はというと、まだ大きな顔をして(勉強会ではなく)素浄瑠璃
すじょうるり
の会などをして「これが義太夫節です!」などとはまだ言えませんので、勉強会の機会を頂戴して勉強させていただく以外に素浄瑠璃
すじょうるり
をすることは今のところございません。


ですが、レクチャーの活動というものに重い観念を置いていまして、今までに地道なレクチャーをたくさんさせていただいてまいりました。



ただ、レクチャーというものは大概、似たり寄ったりになりがちではないか、とお思いになることと思います。



わたしのレクチャーの基本的な方針は、お話をいただいた時に、対象となる方々の年齢層や趣味趣向、性別の割合などから、まずレクチャーの「やり方」を考えます。


大学で文楽
ぶんらく
のことを解説させていただく時は、授業としてなりたつよう、例えば英文学科などの学科の傾向などをかんがみて、世界の文化と文楽
ぶんらく
の歴史的なつながりを研究してから、Keynoteを作り、「プレゼンスタイル」でさせていただきます。


文楽
ぶんらく
を観たことがない学生さんたちが対象でしたので元来の「古典芸能の解説会」のイメージを和らげることに重きをおきました。


10人程度の少ない人数の皆様では、喫茶店でお茶会をするように、実際に喫茶店でお茶を飲みながらのんびりとプライベートな会話をするような雰囲気で解説会をさせていただきました(また企画いたします)。


また、文楽
ぶんらく
はまだそんなに馴染みはないけれど、例えば仏教の研究会の方々ですとか、国文学の方々ですとか、文楽
ぶんらく
に興味があって解説をお求め頂いた時は、「プレゼンスタイル」ではなく、わたしのほうも上方
かみがた
文化と大阪の歴史を研究して、それがいかに文楽
ぶんらく
と発展関与したかをお伝えいたしました。






やはり最終的には文楽
ぶんらく
劇場ならびに国立劇場に足を運んでいただくことが目的ですので、「こちらのやりたい解説・レクチャー」ではいけないと思っております。

知らない世界で、さらに興味がないもの「文楽
ぶんらく
」に目を向けていただくには、その対象の方々の興味の世界にダイブして、そこからこちらへの興味を意図的に誘導する必要があるとわたしは考えます。


ですから各レクチャーのスタイルは変えていて、きっとそれは今だからこそできることだと信じております。



そうして、次の目標は、意図的なレクチャーではなく、きっちり芸で無意識的に興味を持っていただけるようになることです。




限られた「劇場」という空間に、どうやって足を運んでいただくか、これからも考えてまいりたいと思います。




また、皆さまにおかれましても、ぜひ文楽
ぶんらく
にお越しくださる時は、初めての人をお誘いください。




お客様に観て聴いていただいて、初めて文楽
ぶんらく
は成立します。



どうぞよろしくお願いいたします。














https://www.ntj.jac.go.jp/sp/
日本芸術文化振興会サイト



https://www.ntj.jac.go.jp/sp/bunraku.html
国立文楽劇場

https://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu.html
国立劇場


https://www.bunraku.or.jp/index.html
文楽協会ホームページはこちら!
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文楽地方公演など。

























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文楽のすゝめ








文楽
ぶんらく
を知ってもらえる機会はこのブログにもあります。


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