ぶんらくスケッチ「曽根崎心中」制作過程。 | さきじゅびより【文楽の太夫(声優)が文楽や歌舞伎、上方の事を解説します】by 豊竹咲寿太夫
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まずは構図を考えました。
最後の最後を描きたいと思い、また、客席から見えている反対側を描きたいとも思いました。

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下書きをしていきます。
今回は掛け軸の用紙で、34cm×136cmとかなり大きなものに挑戦です。

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背景から塗っていきます。
夜中に天満屋を抜け出して、歩いて天神森まで行き、明け方も近くなっています。


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少しばかり朝陽を感じられるような色を足していきます。




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空を深い青で覆っていきます。




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木々を塗っていきます。
ちなみに今回は全て顔彩です。



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だいたい木々の緑が置けました。
お初の顔の周りはほんのり光が当たっているように表現したいと思っています。



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用紙の下半分はぬかるんだ森の地面です。
水たまりに夜空が映り込んでいます。



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点描の要領で、ひたすら細かい点を置いていきます。


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お初の打掛が脱ぎ捨てられています。
「星が飛びしか、稲妻か。死に行く身にも気も冷えて」
の場面です。


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徳兵衛を塗り始めます。
今回は人形と同じように、白塗りで人物を塗っていきますが、奥行きを出したかったので、徳兵衛は白を塗る前に青を、お初は白を塗る前に朱色を置きました。



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お初を塗り始めます。
お初は全体的に赤味を出したいので、白い着物ですがまずは真っ赤に塗りました。
ちなみに徳兵衛は全体に青い雰囲気にしたかったので、まず青で塗っています。


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まとまりました。



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最後に月を仕上げて、完成です。


東京新聞・中日新聞で今週末に掲載です。